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一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

再会の旅は、夏の軽井沢

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28年ぶりの集合だった。新卒で入社したアパレル企業は神戸の会社だったが、私は東京本社に配属された。そのときの同期東京チームの女子4人組は、それぞれ20代のうちに退社し別々の道を歩んだが、今も交流が続いている。ただし、居住地も変わり、子育てなどで忙しい時期もあり、全員で会うという願いはこれまでかなわなかったのだ。

 

LINEでグループを作り、やり取りできるようになったおかげだろう。「会おうよ」という話はどんどん具体的になり、「せっかくなら皆で旅行しよう!」という流れになっていった。そして7月、ついに私たちは集合した。旅行先は軽井沢。

 

台風の影響が心配されていて、実際当日は霧に包まれたり小雨に降られたりしたが、翌日と翌々日は見事な晴天で、野鳥の森や雲場池などの散策も快適。晴れ女がいたのかな。

 

30年近く会っていない子(このトシで子、もないのだが、人、というのはあまりにもよそよそしく感じられるのでこう言わせてもらう)もいたので、少し構えてしまう気持ちもあったのだが、あらら不思議、会ったとたん、私たちは20代の女の子に戻ってしまった。少し目尻にシワが刻まれた、少し老眼の女の子

 

とにかく元気なのである。そしてよく笑う。キャリーバッグをロッカーに預け、アウトレットモールを闊歩した。お洒落で綺麗な彼女たちはとても50代には見えないけれど、程よく「おばさん力」も身に付けているから一緒にいてとても心強い。1人ではなかなか入れない高級ブランドの店だって臆することなく足を踏み入れる。買えないけど。

 

大はしゃぎしたままのノリでホテルに入り、フレンチの食事で少しワインもいただくと、ますます気分がハイになってしまった私たち。ロビーのソファや螺旋階段で撮った写真を見れば、あのときどんなに嬉しい気持ちでいたかが皆の笑顔でよくわかる。「やっと会えたね」という思い。それは、皆がこれまでどんなに人生を頑張ってきたかを知っているからこその、再会の喜びなのだった。

 

決して順風満帆ではなかった、私たちのこれまでの人生。でも皆、本当によく荒波を乗り越えてきたと思う。家族のこと、親のこと、仕事のこと、今だってそれぞれ悩みは尽きないけど、あの若い日々、ボーイフレンドのことを聞いてもらったのと同じくらいの気安さで打ち明けられるし、それをまた皆、温かく受け止める。それぞれが苦労人だから、ちょっとやそっとの話では驚かない。年の功も発揮し、前向きになれる方向に話題の舵を切る。

 

「えー! こんなにラクに話せるんだ、この子たちとは今も」
そのことがどれほど宝物であるか、しみじみ実感した。社会人になる瞬間からの数年間を共に過ごした私たちである。あの頃の失敗だらけの恥ずかしい姿をみんな知っているから、そしてどんなに思いやりに溢れた時間を共有したかもよく覚えているから、何十年も会わなくても結びつきは深いのだろう、きっと。

 

そして、これからまだ少し人生は続くと思うけど、彼女たちが今も誰かのことを心配しながら人生を頑張っている、と考えるだけで、少なくとも孤独に感じることはないだろう。しょっちゅう会えなくても、自分のことより人のことで一生懸命になってしまう彼女たちのまごころを、ずっと近くに感じていけるだろう。

 

夏の日差しに輝く森や林を、歌いながら歩いた4人組。スマホで何十枚も写真を撮りあった。澄んだ藍色の空に、浅間山が映えていた。これまで何度か訪れている軽井沢だが、今回はまた特別な意味を持つ場所になった気がする。

 

リスペクトできる友人がいるというのはなんと幸せなことだろう。
彼女たちと出会えて良かった。本当に私は運がいい。

 

夏が終わろうとしている今、改めて深く思う。幸せは感謝となり、明日を生きるための小さな勇気につながる。道標のない人生には、絶対に必要な勇気に。