一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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あるHSPの仕事事情―この気質であればこその幸福

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8月も残すところあとわずか。夜になると虫の声も聞こえ始めた。しかし、やはり夏はしぶといね

 

殺人的な名古屋の暑さに加え、今年は例年以上にゲリラ豪雨も多い。それで例年以上に引きこもりがちな私の夏が続いている。

 

とはいえ、時には出掛けなくてはならないこともあって。先日はバスに乗って取材に行った。

 

ドクターをインタビューする仕事で、これが4本目。毎度、緊張する。そろそろ慣れてもいいのにさ、と自分に文句のひとつも言いたくなるが、まあ、HSPだから仕方ないか。

 

 HSP(Highly Sensitive Person=とても敏感な人)についての以前の記事。
 あるHSPの小さな決意―この「生きづらさ」を減らしていこう!(2017.2.14)
 不寛容の時代の空を見上げて(2017.1.17)

私はこの仕事を大切にしたいと思っている。しかし、仕事の前の段階がとてもしんどい。HSPという自分の気質に手を焼いているのだなあと、今回は改めて認識した。

 

当然のこととして取材準備はしていくのだが、取材そのもの以外の周辺部分で準備(?)をするのが常だ。深刻なことからくだらないことまで、もう、それはそれは様々な事態を想定し、その対応策をひとつひとつ考え、本番前に疲れている。

 

どんなことを考えているか、例を挙げると・・・

 

〇ドクターの都合で急に取材時間が変更となったら、どこで時間をつぶそうか?
(これは驚いたことに、この日本当に1時間、開始が延びたのだった)

〇今回はいつもより取材に立ち会う人が多いらしい。自分の位置取りに戸惑わないだろうか?
(大丈夫、スムーズだった)

〇取材は今回、日の入りの時間帯。日傘はいるか?雨が降るかもだから、晴雨兼用の折り畳み傘にするか?
(折り畳みで正解。帰りはひどい雷雨となった)

〇もしもこの後、皆で食事、ということになったら、地元の者として(関係者の皆さん、大阪や東京からいらしているので)近所のお勧めの店を調べておくべきか?
(終了後、現地解散だった・笑)

 

これはほんの一部。
もちろん、1週間くらい前から当日に着ていく服に悩むし、髪型にも悩む。暑がりだから、ペットボトルの水と保冷剤を用意する。長期予報で気温をチェックする。

 

そうして、「あと何日だ」と自分を追い込んでわざわざ緊張感を煽る。ただでさえ暑いのに、変な汗が出てくる。食欲が消える。やれやれだ。

 

しかし、いざ取材が始まると・・・これが不思議なのだが、パチンとスイッチが入り、緊張はものの見事に感じなくなるのだ。あっけないほどスムーズに進んで仕事が終わる。しかも多くの場合、楽しくさえ感じている。

 

ついさっきまでのあの緊張感は何だったんだ!

 

要するに取り越し苦労をあえてしているようなもので、気質もあるだろうけど、これはもう、ほとんど趣味だと考えた方がいい、とも思えてくる。取り越し苦労が趣味だなんて、嫌だなあ。

 

この仕事自体はまだ4回だが、私は取材というものをもう何十回、何百回もやってきた。思えば毎回、飽きもせず、こういう取り越し苦労を重ねてきたのだった。

 

なんでだろう。不測の事態が起こることが嫌いなのは確か。その場でパニックになりたくないから、思いつく全ての不測の事態に、時間のある限り対応策を用意したいのかな。やっぱりHSPだから?

 

でもなぁ。昔はもうちょっと、当たって砕けろ!的なところも、自分にはあった気がするのだけど。うーむ、トシのせいかしら。

 

ともかく、前述のとおり、私はこの仕事を大切にしたいと思っている。多分、好きなのだと思う。が、今回、好きかどうかではなく、向いているかどうかを改めて考えてみた。

 

動揺したり圧倒されたりすることが多い上に誤解されることも多く、社会で生きづらさを感じやすいHSP。こういう気質の人間には、取材とかインタビューとか、そういう仕事は向いていないのか?

 

・・・ううん。首を横に振るしかない。むしろ私は「インタビューって自分に向いているのかも」と思っているようだ。

 

時間配分をしながら進行していくのは性に合っているし、それは多くの場合、取材相手に喜ばれる。また、結構下調べをちゃんとしていくから、早い段階で相手の信頼を得やすい。

 

そして何より、相手が何を伝えたがっているのか、本当は何を聞いてほしいと思っているのか、どんな気持ちでいるのか、といったことが、なんだかとても自然に読めてしまうのだ。

 

インタビューに集中していくと、ふと自分が相手と同一人物になったような、不思議な浮遊感を感じていることがある。相手の話す生い立ちを、自分も経験しているように思えたり、価値観にすごく共鳴したり。ああ、私ならこの人の良さをもっと引き出せるぞ、そんな確信に近いものを感じることも。

 

インタビューが終わると、とてもスッキリした気持ちになっていて、早く原稿を書きたくて仕方なくなる。良いお話が聞けて楽しい時間だったな、とニコニコしてしまう。だからきっと、私にはこの仕事は向いているのだと思う。

 

もっとも家に帰れば、クラクラして、立っていられないほどの激しい疲労感に襲われるのだけど。そこはやっぱり、やっかいな気質なのだ。

 

まずは疲労を回復させることに専念。そこはだいぶ、慣れてきた。いつものルーティーンをして、ゼラニウムとラベンダーの香りに包まれて穏やかな気持ちで眠りにつく。後は、一人でゆっくり原稿に向かう至福の時間が待っている・・・。

 

HSPであることは大変なことも多いけれど、自分を理解し自分に合ったケアさえできれば、幸せを感じることも多いのだと、最近では肯定的に捉えることが増えてきた。この気質と上手く付き合って、これからも自分らしく仕事をしていけたらいいな、と思っている。

 


※こちら↓のサイトで、HSPであるかどうかのセルフテストができます。
The Highly Sensitive Person