ここのところ暖かい日が続いていて、まだ2月というのが信じられないほどだった。昨日は美容室へ向かう片道15分のウオーキングが、なんとも爽やかで気持ち良く、マスクの中で鼻歌を歌っていた私。上着、脱いじゃった。
その前の日も、午前中、夫と近くの川べりを散歩。ぽかぽか陽気で、光る川面は童謡そのもの。紗のかかったような景色の中を歩けば、まあるい休日、という言葉が浮かんだ。
そして、梅の花の蜜を吸っているメジロを撮影していたら、次から次へとお仲間が集まって来て、ちょっと焦ったけど笑ってしまった。
青空の下、抹茶色の小さなお饅頭が、いっぱい飛び回っている!
メジロってあまり人を怖がらないのかな。きっとあの梅の木は、みんなの行きつけのレストランなのね。
小鳥たちを見ていると、好きなように飛べていいなあ、と思う。ボリュームのある鴨や鷺や鵜も、この辺りではよく見かけるが、その飛んでいる姿の美しさといったら。いつも見惚れる。
私にとって、鳥は憧れで、外歩きの楽しみのひとつ。身近な鳥も好きだけど、珍しい野鳥と出会えば、たちまち幸福な気分になる。いつの日か、白鳥の飛翔する姿を見てみたいな。そうか、飛来地を調べなきゃ。
3年前に膝を痛めてから、長距離のウオーキングは辛くなってしまった私だけど、ゆっくりペースの散歩は時々楽しんでいる。これから良い季節になるし、covid-19が収まってきたら、列車で少し遠出して、知らない町をまた歩いてみたいなあ。
私は元から人が大勢集まる場所が苦手なので、オコモリ生活は全く苦にならないのだが、この1年、実家のある清水と我が家との往復ばかりで、さすがに「他の場所にも行きたい」と思い始めてきた。
今、行きたいところリストを作っている。この間から、まるでリスト作りにはまっているかのようだけど。笑
✻前回は“嬉しかったことリスト”のお話でした↓
行きたいところ、たくさんあるなあ。
まだ「密」が心配なうちは、広い自然を満喫しながら歩けるところがいい。クルマを借りて、そう遠くない場所の高原とか森とか海辺とか。そうね、それまでに、野鳥図鑑を買おう。
少し不安がなくなってきたら、長く会えていない長女一家と、どこかファミリーで楽しめる場所で遊びたい。距離的に中間になる伊賀の忍者村なんて楽しそう。
✻伊賀流忍者博物館(3月7日までは閉館のようですね)
ちょっと頑張って、和歌山・熊野灘でホエールウォッチング・クルーズも体験できたら素敵だな。パンダのいるアドベンチャーワールドにも、一度は行ってみたい。
✻昨年11月にパンダの赤ちゃんも生まれたアドベンチャーワールド
それから、街歩きも久し振りに楽しみたいものだ。次女とお洒落なカフェ巡りやショッピングもいいね。私の知らないお店を、彼女は本当によく知っているから、お勧めのところに連れて行ってもらおう。
夫とは、レストランでワインもいいけど、焼き鳥屋さんでビールも捨てがたいなあ。マスクを外して、のんびり笑っておしゃべりしたい。カメラ片手にローカル線の旅、というのも、彼となら楽しそう。
そして、いろいろ安心できるようになったら、遠方に住む大好きな友人たちと、また旅にも出よう。素敵なガーデンを堪能したり、気持ちの上がるホテルに泊まったり。次は那須高原とか北海道とかに行けたら素敵。でも、ああもう、どこでもいいから行きたいわあ。
✻4人で初めて旅行したのは軽井沢でした↓
時間的、経済的に許されるなら、そしてもちろん安全だと判断できるようになったならだけど、生きているうちに海外にも行きたい。行けるといいな。「セカホシ」でうっとりと眺めた、まだ見ぬ世界。あの国も、この国も・・・。でもまず、フランスかなー。
✻NHK「世界はほしいモノにあふれてる」
こんな風に、あれこれ思いを巡らせて、脳内であちこち楽しい場所を歩いている私。実際には明日からまたしばらく、清水に行く。独居老人となってしまった父のサポートをするためで、しばらくはこのパターンが続くだろう。
それが今の現実で、実家のことは常に私の優先順位の上位を占めている。常に心配だし、課題も悩みも多い。
でも、これって、親孝行ができるチャンスがまだ残っているということなんだよね。今、父が生きていてくれてるから。
そこはしっかり意識して、感謝して最善を尽くしたい。未だ悲しみの淵にいる父に、どう幸せになってもらうかを、私なりに考えていきたい。
母が歩けなくなって、事態がどんどん悪くなっていったのは、ちょうど去年の今頃だった。
あのとき、打ちひしがれていた母に、どうして「車椅子で私がどこにでも連れて行ってあげるよ」と言ってあげられなかったんだろう。
歩くこと、自転車に乗ることが好きだった母。それができなくなったって、外の景色を楽しむことはできるよと、今なら励ましてあげられるのに。
一緒になって悲しんでばかりの、
不甲斐ない娘だったね。
ごめんね、お母さん。
世の中が落ち着いたら、母の形見の品を連れて、あちこちを歩こう。歩くことは、前を向かせてくれるからね。母の魂をも、慰めることができるかもしれない。
そして・・・本当は父にこそ、ちょっとでも歩いてほしいのだ。散歩でなくても、たとえささやかなことでも、日々の楽しみを見つけてもらえたらと願っている。
会いたい人、行きたい場所、遊びたいこと。そういうものが、88歳の老人には希望になるのかどうか、正直、私にはわからない。体力的にも可能不可能があるし。
ただ、あんなに多趣味だった人が、何もしないでいるというのが、今も信じられなくて。「遊ぶ才能」が再び目覚めてくれたら、生きていくことに張り合いが持てるんじゃないか。そう期待してしまうのだ。
さて。元気を出して仕度をしよう。
5月並みだったという暖かさも一時的なもので、こちらの地方では、今日の最高気温は昨日より8度も低いと言っていた。
まだまだ、本格的な春は先らしい。体調を崩さないようにして、待ち焦がれるその季節を迎えたい。楽しいことを、ちゃんと楽しめるように。
それから。
緊急事態宣言が、前倒しで解除されるかもしれない。嬉しいけど、不安もあって。
随分みんな、我慢を強いられてきたよね。安心して外へ出られる日が、きっともうすぐ来るはず。
でも、まだしばらくは気を緩めないでいよう。これまでしてきたせっかくの努力や辛抱が、無駄にならないようにね。自戒も込めて、誰にともなく。