一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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5月の薔薇とカーネーション

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子どもたちが幼かった頃。
幼稚園のスクールバスを待つ場所は、近所のお宅の玄関先だった。

 

そのお宅のフェンスには、蔓薔薇が絡ませてあり、このくらいの季節になるとたくさんの赤い花が咲いた。バスを待つ間、甘く清潔なその香りに包まれるのが毎朝の楽しみだったことを思い出す。

 

当時、私は赤いミニ薔薇を2鉢、ベランダに置いていた。大した世話もしていないのに、薔薇は何年もの間、春と秋に可愛い花を咲かせてくれた。小さな花だったけど、顔を近づけるととても良い香りがした。

 

昔から薔薇が好き。でも、本格的なものを自分で管理するのは難しそうで、ずっと手が出せず今に至る。病害虫の対策も勉強して、いつか素敵な香りのする薔薇を、この手で育ててみたいな。

 

ここ数年は、もっぱら切り花で薔薇を楽しんでいる。ただ、薔薇を買うのはもう少し先にしようかな、と今は思う。この時期のお花屋さんで一番目立つのは・・・カーネーション。

 

もうすぐ「母の日」だ。

 


昔は、亡くなったお母さんには白いカーネーション、と言われていたように思う。12年前の秋に義母が他界し、翌年「母の日」が近づいた頃、遺影の傍に飾って義母に捧げようと白いカーネーションを探した。

 

あの年から毎年、5月になると探しているけれど、年々見つけるのが難しくなってきた気がする。カーネーションの花色は、とても増えているようなのに。

 

需要がないのか?
故人には「白」、というのはあまり一般的ではなくなってきたのかな?

 

我が家では、「母の日」のカーネーションを、今年からは二つの遺影に飾ることになった。

 

比較的大きな園芸店に行ったのだけど「白」は見つけられず、白い花びらに紫色の縁取りがある大輪のカーネーションに、アルストロメリア・パールという白い可憐な花を添えて、義母に捧げた。

 

実の母には、薄いピンクのスプレーカーネーションを。アルストロメリアも少し分けてもらって、ベランダのローズゼラニウムも加えて小さなフラワーベースに生けてみた。華やかで可愛い雰囲気の好きな人だから、白よりも喜んでいるんじゃないかな、なんて。

 


二人の母と、二人の父に、毎年「母の日」と「父の日」の贈り物を選ぶのは、頭を悩ませることであり、楽しみでもあった。二人の母と、一人の父を亡くした今は、それが温かな回想につながること、幸せをいただいていたのだということが、やっとわかる。

 

優しい人たちのあの笑顔はもう、思い出の中でしか見られない。瞳の輝きも、目尻のしわも、笑い声も、涙が出るくらい懐かしい。この世界に、それは確かに存在していたのに。

 


若葉が風に揺れて光っている。5月は一番好きな月。

 

去年に続き今年もコロナ禍で、ゴールデンウイークも今ひとつ盛り上がりに欠けたまま過ぎて行った。もっとも我が家はこれまでだって、そんなに派手に遊べたことはなかったのだけど。まあ、気分的なことでね。

 

それでも先日は夫が、元気のない私をふいにドライブに誘ってくれた。県をまたがず、密を避けて、近隣の市のフラワーガーデンへ。

 

久々に“あっちもこっちもお花だらけ”の、夢のような景色を楽しむことができた。お昼時で驚くほど人も少なく、安心して散策できたのはありがたかった。

 

短時間ではあったけれど、花や木々のアロマを胸いっぱいに吸って、自然の色、造形美をこの目にしっかり焼き付けて、パワーチャージ!

 

やはり、花園は素敵だ。

 

✻心の中には、私も「秘密の花園」を持っているのです↓

tsukikana.hatenablog.com


誰もいなかったローズガーデンのコーナーでは、そっとマスクをはずし、その香りをいただいた。まさに“いただく”という感じ。自然に「ありがとう」と言葉にしていた。

 


 Rose de Mai

 

フランス語で「5月の薔薇」という意味の、香料製造用の薔薇があるそうだ。香水の町、南仏グラース産が有名で、収穫は5月の早朝。最高級品のオイルが抽出される。

 

グラースでローズ・ドゥ・メの花を摘むのが、私の夢のひとつだと、以前も書いていた。やはり、5月は薔薇だよねと、意を強くする。

 

母の日が通り過ぎて、カーネーションとお別れするときがきたら、この小さな我が家のあちらこちらに、薔薇を飾ろうと思う。そして、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されたら、またローズガーデンに出掛けたい。

 

✻2年前にローズガーデンの記事を書きました。グラースに行きたい!↓

tsukikana.hatenablog.com

 

✻私は、薔薇は香り重視↓

tsukikana.hatenablog.com

 

✻でも、薔薇の香りを嗅ぎ分ける自信はありません・・・↓

tsukikana.hatenablog.com

 


遠くに旅行したいとか、大勢で会食したいとか、大層なことはこのご時世に私、望んではいないのだ。でも・・・

 

美しい5月を、短いこの輝きの時間を、ほんのささやかでもいい、リモートでなくリアルに味わいたいと、今、切に願う。でも、現実は厳しいなと、昨夜からのニュースにため息をついている。
(緊急事態宣言は5月末まで延期され、愛知県と福岡県が追加。まん延防止等重点措置は8道県に拡大されるようですね・・・悲)

 


気を取り直して。
ところで、紀元前から栽培されていたという薔薇だけど、「ベルサイユのばら」の時代(フランス革命前後)にはまだ、あの美しい剣弁高芯咲きの真紅の薔薇はなかったと、今朝の「あさイチ」で聞いて驚いている。

 

ちょ、ちょっと待って。オスカルと赤い薔薇はセットでは?
も、もちろん漫画だからね、と言われればそうなんだけど、少しショック。

 

薔薇といえば、ずっとピンク色だったのだ。そういえば、薔薇色の頬、とか、薔薇色の人生、とかは、薄紅色だからこそ成立する例えか。ワインのロゼも、ピンクだし。

 

でも、15世紀の薔薇戦争は、赤薔薇対白薔薇だよね。
あれ?私の聞き違いだろうか。品種改良がここ200年ほど、という話だったのかな。薔薇の色は、いったいいつからピンクだけでなくなったの?

 

 

・・・そんな訳で私、奥深い薔薇の歴史にもはまりそうな気配である。

ステイホームで。

 

 

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