一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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懐かしい町をトコトコ歩く―名古屋・覚王山界隈

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今日も、日差しが強く夏のように暑かった。10月に入ったというのに、どうかしている。

 

それでも、空を見れば明らかに秋の色で、数日前から「もうそろそろ咲いて良い?」と言いたげに、金木犀が香り始めた。遠慮がちみたいで、ちょっと気の毒になる。

 

宣言が解除されてすぐの週末、青空に誘われて散歩に出かけた。いつものご近所散歩ではなく、夫と共に少しだけ離れた場所に出向き、歩いた。それこそ、「もうそろそろ良い?」という感じでの、遠慮がちな外出だけど。

 


地下鉄東山線の「覚王山」界隈。実はこの辺り、以前住んでいた町からはそう遠くない場所で、家からここまで歩いて来たことも数度ある、お散歩コースのひとつだった。6、7年ぶりに訪れたので、ちょっと懐かしさを覚えて嬉しくなる。

 

お釈迦様の御真骨が眠る日本唯一のお寺で、超宗派の寺院である日泰寺。この大きなお寺に続く参道には、味わいある古い商店とともに新しくできたカフェやショップが軒を連ねる。

 

ここが覚王山商店街。上手くバランスのとれたレトロとモダンの融合は、町歩きの楽しさを高めてくれるようだ。

 

日泰寺と参道で毎月21日に開かれる縁日は、昔から大変な賑わいだとか。一度くらいは通り掛かったことがあった気もするけど、よく思い出せない。

 

カレーと紅茶で有名な「えいこく屋」は健在だった。昔から知っているお店がちゃんとそこにあるって、妙に安心するものだ。30年くらい前に初めてここのカレーを食べたとき、美味しさと異国情緒に感動したなあ。

 

お洒落な器のお店、ハンドメイドの雑貨店、ステンドグラスハウスなどなど、気になったお店をのぞきながら歩くのはとても楽しい。今日の記念にと、小皿を2枚購入。

 

スイーツのお店も増えた気がする。行列の先にあったのは・・・高級芋菓子「しみず」? 今って、お芋が人気なのかな? ドーナッツのお店だと思っていた「ZARAME NAGOYA(ザラメナゴヤ)」はランチもあるのね。

 

娘たちとケーキを食べによく来た「シェ・シバタ」が、すっかりシックな装いにリフォームされていて驚いた。夫が写真を撮って、ファミリーLINEに上げていた。笑

 


そして今回の一番の目的地である「メルヘンハウス」へ。参道から1本、西に入る。

 

ここは、1973年3月、日本で初めての子どもの本専門店として誕生したものの、経営状況の悪化などで2018年3月に45年の歴史に幕を閉じ、移動書店などを経て今年8月、実店舗再開を果たしたお店。
(webサイト参照)


我が家の娘たちが幼かった1990年代に、当時今池にあったお店によく行ったのだった。長女が選んだ絵本のひとつは、ちょっとシュールな『ねこざかな』。今も家にある。

 


ねこざかな

 

え。魚が猫を飲み込んで、ねこざかなになっちゃうの?
もっとファンシーな優しい絵のお話を選ぶと思っていた私は、「本当にこれでいいの?」と念を押したっけ。笑

 

でも、その後、何度も何度もページをめくるお気に入りの一冊となり、いつの間にか私も大好きになっていた。

 

そんないくつもの楽しい思い出につながる絵本という存在は、親にも子にも、本当にとても大事なものだよね。

 

店主さんといろいろなお話をしながら、2冊の絵本を選び、今度孫娘たちに会えた時にプレゼントしようという、素敵な楽しみを得た。

 

「メルヘンハウス」は古い古いマンションをリノベーションした、居心地の良い明るいお店。改装の痕跡を見つけては、すごいなあと感心した。ちょっとレトロな風情も残しているのだ。この辺りには、そんな遊び心を大切にしたお店がたくさんあるように感じる。

 

「覚王山アパート」などは、その典型だろう。古い2階建ての木造アパートを改装し、アトリエを兼ねたショップとか、ギャラリーとか、古本カフェなどが入っている。

 

昔はどんな人が住んでいたんだろう?などと柱や階段を眺めるだけでも楽しくなる。エントランスも可愛くて、個性的なアート作品はなかなか面白いので、近くに行けばつい立ち寄ってしまう建物だ。でも、売れてるのかな?と、いつも心配になる……。

 


さて。
ここは結構坂道の多い町で、まあそこも魅力なんだけど。例によって、私は膝が痛くなってきた。暑さもあって、なかなかの疲労感。おなかもすいた。

 

「SideLish」(サイドリッシュ)というカフェで、豚の角煮オムライスなるものををいただいて帰路へ。夫はキーマカレー。美味しかったし、小さいが良いお店だと思った。このご時世でご苦労も多いだろうけれど、続いてほしいと願う。そう、たくさんの、良いお店に。

 

ゆったりとお店を見ながら歩くのは、やっぱり楽しい。こういう散歩が、またできるようになったのかな、と思うと素直に嬉しい。第6波がくるまでに、もう一度くらいは楽しみたいけど、どうなんだろう。できるかな?

 

マスクなしで、笑顔でお店の人と会話して。検温もアルコール消毒もなしで不安なくお店に出入りして……。
そんな町歩きを楽しめる日は、いつ来るのかなあ。

 

見上げた10月の空は無邪気に明るくて、ちょっと切ない。

 

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