一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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レトロな装飾を切り撮りながら―白壁・主税町・撞木町

白壁界隈のモチーフの画像

 

朝、窓を開け、金木犀の香りに深呼吸する。近所のお庭から流れてくる甘い香りは、この短い季節にいただく嬉しいギフトだ。

 

我が家の周辺には、植栽として立派な金木犀を植えているお宅が多いようで、どこをどう歩いても、今はこの香りを楽しませてもらえる。ありがたいことだ。

 

青空の美しい日が続いていて、爽やかな風も心地良いせいだろうか、最近の私はとても体調が良く、気分も良い。膝も腰も、今は全く痛みがない。この状態が、できるだけ長く続いてくれることを祈るばかりだ。

 


次女に誘われて、週末、夫と3人で名古屋の白壁界隈を散策してきた。暑いくらいの日差しだったが、空気はひんやりしており、この日もお散歩日和。

 

白壁には6月に散策に訪れているが、あのときは基幹バスレーンより北側の、尼ケ坂方面がメインの目的地だった。

 

tsukikana.hatenablog.com

 


今回は、南側の主税町(ちからまち)や撞木町(しゅもくちょう)が、次女の希望だったので、そちらをメインに。

 

地下鉄・高岳駅で待ち合わせし、泉二丁目の「喫茶 周(ぐるり)」で早めのランチ。今日のコースを打ち合わせする。期待が膨らむこの時間も、すごく楽しい。

✻周さんは昔懐かしい感じのメニューが多く、雰囲気も素敵なカフェでした↓

 喫茶 周(ぐるり)さんのInstagram

 

名古屋城から徳川園にかけての一帯は、名古屋の近代化の歩みを伝える貴重な歴史遺産が多く残されていることから「文化のみち」と呼ばれている。ウィキペディアによると、1999年にこの地域で行われたウォークラリーで、初めてこの名称が使われたらしい。

 

その「文化のみち」を冠する「撞木館」と「二葉館」を中心に、撞木筋と主税町筋をそぞろ歩いた。

 

「レトロな雰囲気に浸りたい」との次女の言葉に嬉しくなった私である。そういうの、私も大好き、一緒だね♪と。多分、夫も好きだと思うんだけどな。

 

美術館や博物館で学ぶのも良いけれど、実際にそこに人が住んでいたというのが、古い邸宅に入る魅力だ。だいたい、お屋敷に入るなんてそれだけでワクワクしてくる。

 

また、この辺りは江戸時代の武家屋敷の地割が残っているエリアだ。歴史を感じさせる門や塀が続くお屋敷町をのんびり歩く、なんていうのも、ちょっと心が弾んでしまう。

 


文化のみち撞木館は、大正末期から昭和初期にかけて、輸出陶磁器商・井元為三郎の邸宅だった建物。和館と洋館が併設された、当時流行の住宅様式で、洗練されたお屋敷は富の象徴でもあったとか。

 

ここで目を引くのは、なんといってもステンドグラス。玄関ホールや洗面所入り口上部、応接室(カフェになっている)や娯楽室など、館内あちらこちらに設えられているそれらは、可愛らしかったりポップだったり見ごたえたっぷり。ただ美しいだけではない、どこか温かみや懐かしさを感じさせる意匠なのだ。

 

他にもドアに描かれた小さな絵とか、ランプシェードとか、椅子の背もたれに彫られた花とか、いたるところに愛らしい装飾を見つけることができる。

 

建築様式でも文様でも、小さな細工でも。レトロなデザインには、味わい深く心惹かれるものがとても多い。私も次女も、そんなお気に入りのモチーフを見つけては、次々と写真を撮った。「カワイイ」を切り撮るように。

 

www.shumokukan.city.nagoya.jp

 


文化のみち二葉館でもそう。大正浪漫の香り高い瀟洒なお屋敷内を歩きながら、かつての住人たちの暮らしぶりを想像し、彼らも眺め愛でたであろう、数々の装飾、デザインを「お洒落だね」「可愛いね」と切り撮った。

 

二葉館は「日本の女優第一号」として名をはせた川上貞奴が、引退後、電力王と呼ばれた福沢桃介と暮らした邸宅。これを平成17年に名古屋市がこの地に移築・復元したとのこと。

 

元々は、文化のみちエリアの北端にあたる東区東二葉町にあったとか。現在の白壁三丁目で、今はマンションが建っている。

 

そこは名古屋台地の北端の台地縁で、当時は名古屋城や御嶽山も見渡せる立地だったとか。約2000坪の敷地に建つ斬新で豪華なお屋敷は、「二葉御殿」と呼ばれ、政財界人や文化人のサロンになっていたそうだ。

 

www.futabakan.jp

 


二葉館を出てからも、町歩きは「撮り歩き」となり、ずいぶんたくさん写真を撮った。このブログでは、いつも冒頭に1枚だけ写真を載せているのだけど、今回はせっかくなので、何枚か貼らせていただく。

 

文化のみち撞木館の画像

愛らしい撞木館のステンドグラス

文化のみち撞木館の画像

綺麗な光が入ってくる。お庭も素敵

文化のみち撞木館の画像

浴室のシャワー。椅子の背のレリーフも可愛い

文化のみち二葉館の画像

二葉館。旧食堂のロマンチックな窓

文化のみち二葉館の画像

ランプやドアノブも雰囲気がある

 

江戸、明治、大正、昭和初期。
歴史ロマンやノスタルジーを感じさせてくれる、レトロな意匠を切り撮りながら、古き良き時代を偲ぶこういう散策をもっとしていきたいね、と次女と話した。

 

「乙女建築」なる言葉を、真夜中ドラマの「名建築で昼食を」(テレビ東京系)で知ったが、おじさんの中の乙女心をもキュンとさせてしまう、建築の様式美、こだわりや工夫を切り撮るという視点が、ランチの紹介以上に私にはツボだった。

 

建築についてももう少し詳しくなれたなら、こんな散策もきっと、もっともっと楽しくなるんだろうね。

 

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