今年の桜は早かった。そんなに急がなくても、というくらい早くから咲き始めた。
数回のお花見散歩をしたが、3月下旬でも汗ばむような陽気。「花冷え」という言葉を、使う機会のない年だった。
そういえば、今年初めてツバメを見たのは、3月15日。我が家の前の電線にとまってこちらを見ているのを、夫が発見した。
あまりに早い時期なので、越冬ツバメか?と最初は思ったが、なんとなくボサボサで、気のせいかお疲れ気味にも見える。いかにも旅をして来た、という感じだ。
今年もこのマンションの1階に、巣をかけてくれるのかな?
お帰りなさい、と声を掛けたくなる。
寒の戻りもあまり感じないまま、季節はどんどん進んでる。少し、怖いくらいに。今年の夏は、早い時期から猛暑になる可能性も高いらしい。ああ、恐ろしい。
怖がっているだけでなく、暑くなる前にいろいろやっておきたいことがあるのだけど間に合うかな、とちょっと焦る自分もいる。いつもはゴールデンウィークの頃にするエアコンの手入れや、網戸掃除を早々に済ませた。すでにハエが飛んでいるし、なんと私、もう蚊に刺されたのだ!
まだ先でいいとのんびり構えていたけど、モンステラの剪定&植え替えも、早めに準備した方が良さそうだ。今度、清水(実家)に行ったらG対策もしておかなくちゃ。そんな細かいことがいっぱい、頭の中のToDoリストに書き込まれはじめた。
夏が来る前に、夏が来る前に・・・
いわゆる春らしい春、秋らしい秋が、年々短くなってきているよね。
でも、焦ってもしょうがない。
もう咲き始めているツツジやハナミズキの可愛らしい花を見つけ、そう思った。前倒しで訪れている、百花繚乱の美しい季節を喜んで迎えることにしよう。
子育ても終わって久しい。夫も私も、すでに両親ともを見送った。冷静に考えれば、何をそんなに忙しがることがある?とも思うのだけどね。そういうことではなくて。
いくつになったって、学びたいことはあるし、挑戦したいこともある。見てみたいこと、経験しておきたいことも。
年齢選択のプルダウンで60歳以上を選ぶ違和感にも、だいぶ耐性がついてきたことに気づく今日この頃。自分の老いを肯定することと、やりたいことを諦めることとは、真逆の関係であるのだ、とも気づく。
もちろん、やりたいことの内容にもよるけれど、今の私ならまだ間に合うんじゃないかな、と思われることなら臆せずトライしてみたい。気力、体力のあるうちに。
そんなわけで、胸に生まれたいくつかの小さな夢の卵を、今、大事に温めている。それはまだもろくて繊細で壊れやすいので、注意深く扱わなくてはならない。これまでの人生で、いったいいくつの卵をだめにしてしまったことか。苦い経験を積んできたOver60は、もうこの失敗は繰り返さない。笑
深呼吸して。
ゆっくり深呼吸して。
駆け足の春においていかれることを恐れていないで、自分のペースを大事にしたい。ToDoリストを吟味して、優先順位をつけ整理し、焦らずに穏やかに片付けて、私の卵を守ろう。
もうすぐ、大好きな薔薇も咲き始めるだろう。今年は、旅先で薔薇を楽しむという計画も立てた。まだひと月以上先なのに、小さい子みたいに楽しみにしている私。
・・・良かったね。新しい靴も買ったしね。笑
自分を愛したいな。人間を愛したいな。人生を愛したいな!
*高橋幸宏さんに続いて坂本龍一さんも逝ってしまわれました。70歳とか71歳とかいう年齢で…
素晴らしい功績を残され、素敵な宝物を残してくださったけれど、まだまだやりたいことは山ほどあったのでしょうね。
20代の頃は私、60代も70代も80代も、みんな同じようなおじいさんおばあさんに感じていました。戻って、頭をひとつ、コツンとしたいです。雑に一緒くたにするな、と。
訃報を聞いてしんみりして。「我々もあと10年くらいかもしれないね」なんて夫がポツリと言うものだから、いろいろな思いが去来しました。
「人生は短いのだから不幸でいる暇なんてない」
という、ターシャ・テューダーさんの言葉が思い出されます。
忙し(がり)すぎて心が迷子になっていないか、いつも自分に問いかけていきたいと、改めて思いました。
坂本龍一さん。ご冥福をお祈りします。