一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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晩秋の奈良へ―小さな家族旅行と天平文様

奈良の鹿の画像

 

奈良へ行こうか・・・
そんな言葉がこぼれたのは、10月中旬。NHKの「あさイチ」を観ていたときだった。

 

秋の奈良の大人旅特集。グルメや景色などいろいろ楽しかったのだけど、中でも一番印象的だったのが、正倉院の宝物デザインの紹介。店舗で販売されているお菓子のパッケージや文具にあしらわれたその「天平文様」を目にした瞬間、私は心を奪われてしまった。実は以前から、伝統文様や吉祥文様にはちょっと関心があったのだ。

 

この放送は多分、年に一度、秋に奈良国立博物館で開催される「正倉院展」にタイミングを合わせていたのだと思う。そちらも観覧できたら、より素敵なことはきっと間違いないだろう。でもそれよりも、街歩き中ふと立ち寄ったお店で素敵な文様に出会えてしまう、というところが私には何より魅力だった。それだけでも十分、心満たされそうで。

 

奈良なら、あっちもこっちもと欲張らなければ、我が家から日帰りで遊びに行ける距離だ。お寺を巡る旅、というのではなく、気軽にお散歩がてら天平文様を見つけて楽しむのもいいな♪なんて。

 

ただ、10月はスケジュール的に厳しかったので、11月のどこかで夫とふたりで行こうかと、この段階ではぼんやり考えていた。そんな頃…。関西に住む長女が「話を聞いてほしい」と連絡してきたのだった。

 

夫と私と彼女の3人でビデオ通話。子育てや仕事の悩みなどで苦しんでいて、時に涙を浮かべながら話をする長女なのだった。妻でも母でもない、ひとりの娘として、お父さんお母さんと過ごす時間が、もうそろそろほしいよ、というようなことを長女が言ったとき、この子を抱きしめたい、ゆっくり甘えさせてあげたいと、心から思った。

 

その時間、是非作ろうよ!
という話になってからは、早かった。

 

昔の、あの頃の家族4人に戻って、久々に旅をしようか。
ひとつ、お泊りもしよう!
それなら、奈良はどう?
近々行きたいと思ってたし、奈良はちょうど中間地点でどちらからもそう遠くない。何かあってもすぐに飛んで帰れるのでは?

 

もちろん、不安材料も多かった。
長女の3人の幼い娘たちを婿どのに預けて、ということになる。
孫娘たちにとって、ママなしの夜は初めてのことだ。
パパだって、子どもたちのお世話をそんなに長時間ひとりでみるのは初めて。
大丈夫かな・・・

 

お天気はどうだろう。寒くないかな。
インフルエンザも大流行してるし、関係者全員が健康でその日を迎えられるだろうか・・・

 

心配はいろいろあったし、また、実際に出発前に婿どののご友人に突然の悲しい出来事があり、みんなで旅を延期すべきか悩んだが、その当事者である婿どのが長女を気持ちよく送り出してくれたので、先日無事、旅の計画を実現することができた。彼には本当に感謝している。

 


当日は、快晴。素晴らしいドライブ日和だった。
ひとり暮らしをしている次女をピックアップして、一路、奈良へ。お昼頃、法隆寺駅近くで、電車で来た長女と合流できた。

 

まずは私の希望を叶えてくれるということで、クルマを置いて、法隆寺近くまで歩く。目指すは、あさイチで紹介されていた「祥楽」というお店だ。

 

shogaku-ec.jp

 

カフェ併設のお土産ショップなのだが、品物のひとつひとつがすごくお洒落で、ずっと見ていたくなるほど素敵。正倉院文様が彩る奈良の上質和スイーツ「大和し美し」シリーズを始め、お目当てのお菓子をたっぷり時間をかけて選んだ。娘たちもそれぞれたくさん、お土産を購入していた。

 

せっかくなので、松並木の参道を歩いて隣の法隆寺へ。その後、山菜うどんや柿の葉寿司の昼食をとったり、レトロなカフェで可愛らしいワッフルをいただいたり。

 

法隆寺・弁天池で見た紅葉

 

クルマに戻るまでも、ずっと笑いながらおしゃべりしている娘ふたり。ニコニコ嬉しそうな夫。本当に、あの頃の家族に戻ったみたいだ。

 

長女が結婚して10年が過ぎた。親も友だちもいない初めての土地で、弱音も吐かずよく頑張ってきたと思う。婿どのは長女を大切にしてくれるけれど、とにかく仕事が忙しい。ほぼワンオペの育児が続く毎日は、特に双子が生まれてからはどれほど大変だったことか。

 

私にしても、10年ぶりにわが胸に戻ってきた「うちの娘」であり、愛おしさもひとしおだった。いや、もちろんずっと私たちの娘なんだけどね。ギュッとハグするとき、彼女の夫や子どもたちがそばにいるのといないのとでは、心のあり様がまるで違ったのだ。彼女が生まれたときから家を出ていく日までの、幸せで懐かしい日々が思い出される。

 

こんな日が来るなんてね。
これは、婿どのからの優しい贈り物だね。

 

クルマに戻り、お宿へ向かう。道は結構、混んでいて、ゆっくり走りながら奈良の町並みや田畑の向こうの山々を眺める。白い月が浮かんでいた。

 


チェックインして荷ほどきし、いざ、「ならまち」散策へ。そしてまたまた、私のお目当てを優先してもらい、近鉄奈良駅にほど近い「活版工房 丹」を目指す。

 

akainara.net

 

ここでも素晴らしい天平文様の数々に、目を奪われた。「正倉院文様御朱印帳」など、可愛らしくも格調高い、本当に美しいデザインの商品が並ぶ。活版印刷による箔押しのポストカードなど、いくつか自分用のお土産を買ったけど、予算があったらいくらでも買い物をしてしまいそうだった。

 

活版工房 丹

 

すっかり夕闇に包まれて、空気も冷たくなってきた。ちょっと寄れたら、と思っていた奈良公園は諦めようか。といいつつ、近づいて少しだけ、鹿に触れてきた。

 


さあ、飲みに行こう!
その号令が、長女をこんなにも喜ばせることができるとは。

 

子どもたちを置いて飲みに行く、なんてことも初めてなのだ。
次女が言っていた。お姉ちゃん、歩きながら何回も何回も「楽しい♪」って、小さい声で叫んでたんだよ、と。

 

ギュウギュウとおしくらまんじゅうしながら、4人で歩いた「東向商店街」や「小西さくら通り」。可愛くて洒落ていてどこか懐かしい雰囲気のお店がたくさん立ち並ぶ、素敵な繁華街だった。

 

居酒屋を2軒はしごし、上機嫌でお宿に戻る道すがら、見上げた月は冴えて輝いていた。昼間見えた白い月は、こんなに綺麗なハーフムーンだったんだね。

 

お宿は一棟貸しのいわゆる民泊。夫が見つけてくれたそこは、清潔感があり、綺麗で内装が楽しい。お風呂が広々としていて快適だったなあ。3つあるベッドルームも居心地が良くて、しばらく皆で住みたいほどだった。

 

お宿でもワインを飲みながらのおしゃべりが続く。とても疲れていて眠いのに、まだ寝たくない。みんな、気持ちは同じだった。ああ、時間が足りない~!

 


翌朝も快晴。
チェックアウト後、また奈良公園にちょっとだけ立ち寄ろうということになった。それにしても、地図で見た奈良公園の広いこと!これは、ここを目的地として次回また来るべきだな。

 

実はこの日、当初は奈良公園まで婿どのがチビッコたちを連れて長女を迎えに来る、という計画だった。そこで皆で遊んでから、お別れしようね、と。でも、予定は変わった。婿どのは夕方からお通夜に行かなくてはならない。

 

長女を家まで送り届けることになったので、できるだけ早く出発したかった。なので、鹿との触れ合いもごくごく短時間ね。それでも「ああ、奈良に来たんだなあ」という気持ちになれた。

 

まだ鹿子模様がうっすら見える子

 

カフェでコーヒーをテイクアウトし、クルマに戻る。予定は変わったけれど、孫娘たちの待つ家に向かうのはやっぱり楽しみだ。ただ、長女と過ごす「懐かしのチーム」の時間が終わろうとしているのは、ちょっとだけ寂しかったな。

 

11月の終わり。本当に日が短くて、お昼頃には夕方のような光の加減になってしまう。

 

あの家で3時間ほど過ごしただろうか。2階の孫娘たちの部屋で、彼女たちとたくさん遊んだ。
子ども部屋らしく模様替えしていて、楽しい日々が垣間見えた。子猫が2匹、増えていた。この家も、少しずつ変化し成長しているんだなあ、などとしみじみ思いながら、皆の幸せを願ったのだった。

 


今回のロングドライブの大半を、次女が担ってくれた。ずっとペーパードライバーだったのを、去年あたりから練習し始めたのだけど、運転、上手になったなと嬉しく思う。レンタカーやシェアカーでの練習だとなかなか上達しないのでは、と考えていた私。でも、彼女を見ているといろいろ大丈夫なんだと、いつでも、いつからでも、トライすることが大事なんだと、勇気づけられる。

 

そんな次女が、疲れと寒さからか、昨日、熱を出したらしい。今朝、クリニックで検査して、インフルでもコロナでもないことがわかり一安心しているが、ほんと、楽しいことも疲れるから、体には十分気をつけてほしい。私も気をつけたいと思う。

 

あっという間に、師走・・・
毎年のことだけど、驚いてしまう。そして焦るような気持ちになってしまう。おまけになんと、寒波も来ている。クラクラしそうだ。

 

でも落ち着いて、機嫌よく過ごしたい。深呼吸しよう。
今月も予定が目白押しだが、疲れたら休む、を忘れずにね。

 

ところで。
不思議なのだけど、お土産で買った天平文様を見ていると、穏やかで華やかな気分になってくる。何故だろう。
この文様のこと、もう少し深く知りたくなってきた(*^^*)

 

 

パッケージに惹かれたくさん買ってしまった「祥楽」のお菓子




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風に揺れる散歩道のコスモス

コスモスの画像

 

え、今日も真夏日?と驚きながら迎えた10月。1週間ほど前からだろうか、ようやく涼しく・・・ではなく、急に冷えこんできた。今年も秋は短いという予報は聞いていたが、あまりの気温の落差にめまいがしそうだ。
そんな10月も、今日でさよなら、である。

 

今年の神無月。
前半はライフワークである刺繍やハンドメイドに集中できた日々だったけれど、後半は大小のイベントが続き、なかなか日常のルーティーンがこなせなかった。今、ようやく心落ち着いて、こうしてPCに向かう時間も持てている。

 

手帳のマンスリースケジュールを見返すと、人と会ったり話したりすることがとても多かったことがわかる。普段、家で静かに暮らしている私にとって、良い意味で刺激的な数週間だったなあと、振り返って思う。

 


義母の十七回忌で、夫の実家とその菩提寺を訪れた。久しぶりに姪っ子たちやその子どもたちに会えたこと、義兄夫婦と談笑できたこと、次女が我が家で2泊していき、いろいろ話せたことなどが、今も嬉しく思い出される。みんな仲が良くて、賑やかで。義母もきっと喜んでくれたことだろう。

 

次女が家から出勤していった翌日には、高校時代の親友から連絡があった。急だけど、今から行ってもいい?と。庭でたくさん収穫できた栗と柿をお裾分けしてくれるという。

 

クルマを停めておく場所がないので、一緒に近所のカフェへ。近況報告やら世間話やらで、2時間近くがあっという間に過ぎていった。いつも嵐のようにやってきて、よく笑い、早口で機関銃のようにしゃべる彼女。「あんたは平野レミか」と言えば「あはは、似てるかも~」と屈託がない。

 

人と話し慣れていない私は相槌を打つのに精いっぱいなのだが、それでも彼女が実はすごく私を気遣い、愛情を持って接してくれているのがわかるので、会えばいつも胸が温かくなる。ずっと、元気でいてほしい。

 


そして、その翌々日からは実家の片付けで、また、静岡の清水へ。
夏の間は作業ができないのでお休みしていたから、4か月ぶりの清水だった。今年、3回目。実家の片付けは、まだまだ終わりません(泣)

 

今回も、夫がクルマで連れて行ってくれた。高速道路は、いつも新東名を走るのだが、間違えて懐かしの東名高速を走ることになってしまい・・・笑
でも、これがかえって良かった。お昼に寄った浜名湖SAは平日だからか空いていて、穏やかな湖を眺めながらのランチ。ちょっとした旅気分を味わえた。

 

また、日本平PAでは富士山が見られたのだけど、後で初冠雪だったことをニュースで知る。初冠雪の富士山を写真で捉えられたのは、私、初めてかも!ずっと冴えないお天気が続いていたのに、この日だけはピカンと晴れて。ああ、もっとロケーションの良い所に移動して撮影すれば良かったなあ。

 

初冠雪の富士山の画像

初冠雪の富士山

 

今回、滞在中にハウスメーカーの定期診断を受けた。前回は5年前で、母の葬儀の翌日だった。あの日、父は心労でグッタリしていたので、私が対応したのだった。そんな思い出なども担当の建物診断士さんに伝えながら、この家もあれから5年、年をとったのだなあと、切ない気分になる。

 

それにしても、診断士さんも営業さんも、担当者ってどんどん変わっていくのね。名刺、何枚たまっただろう。仕方ないんだろうけど、父がきちんと歴代全部の方の名刺を保存してあるのを見ると、なんだかそれもちょっと切ない。

 

私たちが訪れる数日前に、水道メーターの取り換えがあった(事前連絡あり)。無事に済んでいるようで安心していたのだが、診断士さんが「水道を使っていないのにメーターが動いていますよ」と言う。夫が業者さんに連絡し、すぐに来てもらった。原因はメーター取り付け時の不具合ではなく、トイレタンクの部品の劣化だった。業者さん、すみません。

 

この件でも、家の老いを突きつけられた気分になり、ため息が出た。いやでも、今回は放置だ。チョロチョロと少しだけ漏れていく水。このくらいなら、許されるよね…。ちょっと今は、対応できない。

 

さてさて、それから、庭である。夏の間、草取りをしていないので大変なことになっているだろうと覚悟していたけれど、6月に撒いた除草剤が効いたのか、思っていたほどではなかった。いや、お隣さんが抜いてくれたのかもしれないけど…申し訳ない。

 

そのお隣さんが、柚子の木が生い茂り過ぎなので、少し切らせてもらったとおっしゃった。そう、柚子の木も大きくなったよね。あんなに幼い苗木だったのが嘘みたい。お隣さんの敷地だけでなく、公道にも枝を伸ばし、大型車の通行を妨げそうな勢いだ。本当に申し訳ない。

 

それで、夫がまた頑張って剪定してくれた。以前切り倒した雑木も、根が大きく張り出して大変なことになっていたので、それも掘り出したり…。今回もすごく、働いてくれた。切った後の枝の処理も大変なんだよね、ありがとう!

 

私は庭の奥の奥で、ランタナという植物と闘った。可愛らしい花をつけるけど、侵略的外来種だ。繁殖力、生育力がとても強く、いつの間にか2階の高さまで育っていた。6月に「切らなくちゃ」と思いつつ時間切れで放置して帰ってしまったことを悔やむ。

 

雨が降り始め、手の届きにくい場所の枝をハサミで切ることを繰り返すうち、ランタナがどんどん憎らしく思えてきてしまった。きっと、鳥の落としものから芽が出たのだろう。ランタナには何も罪はないのにね。でも、強い植物って、なんだか怖い。

 

清水滞在最終日の朝、いったいいくつのゴミ袋を出したことだろう。それでも足りずに、今回は廃棄物処理施設まで古布団などを持ち込んだ。きっとこれから、ここへ何度も捨てにくるんだろうな、と思いながら、ベルトコンベアで流されていく布団や毛布を見送った。すごく、疲れていた。

 


清水から戻りほっとする間もなく、歯科クリニックの検診の予約を入れてあることを思い出す。うう、行きたくない…。その前に、遠方で暮らす長女が少し悩んでいるようなので、夫と3人でビデオ通話をする。気が付けば2時間!

 

思ったほど深刻ではなかったものの、やっぱり心配。子育ての悩み、仕事の悩み、日々の困惑や疲れがクリアされないまま、どんどん積み重なっていき、こじらせてしまったようだ。

 

何をしてあげられるわけではないけれど、SOSに気付いて真剣に話を聞くこと、大事に思っているのを伝えることは、できる。それだけでも、娘の顔には明るさが戻ったし、私たちも心が落ち着いた。

 

ビデオ通話はあまり好きではなかったけど、今回は本当に顔を見て話せたのが良かったと思う。

 


それにしても、後半、慌しかった10月。
一区切りついた昨日は天気が良かったので、掃除が済んだ後、夫と少し歩くことにした。いくつかある散歩コースのひとつを選び、お蕎麦屋さんを目指した。

 

ようやくの、お散歩。田舎道を歩く。
もう終盤の金木犀の香りが、鼻をくすぐる。畑の隅で、コスモスが風に揺れていた。

 

青空を背にしたコスモスを、下から見上げるのが好きだ。白い子も、薄桃色の子も、濃いピンクの子も、みんな綺麗。向こう側が透けて見えそうな薄い花びらが、なんとも優しい。少し寂し気な風情が、秋によく似合う。儚げだけど、弱くはないんだよね。花の表情は、ちょっといたずらっぽい笑顔にも見える。

 

今年もコスモスに会えて良かった。お蕎麦は美味しかったし、帰り道では好奇心旺盛なジョウビタキさんに会えた。少し先へ飛んで行っては、私たちを待っているみたいな。青空にオレンジ色のおなかが映えて、なかなかのカッコよさだった。池では一瞬だけど、カワセミさんも見ることができた♬

 

これからもっと、散歩をしたいと思う。短い秋を、できるだけ楽しみたい。今日はまた雨だけどね。笑

 

11月の終わりにひとつ、楽しみな予定が入った。娘たちと小さな旅ができそうだ。お天気だといいな。
さあ、後回しにしてきた諸々のことを、今日から頑張ろうか!

 

 

ジョウビタキの画像

散歩の帰り道で出会ったジョウビタキ




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それは、チューニングの時間

 

長い長~い、夏が終わった。
いや、まだ今日などは最高気温30度を超えていたけれど。でも、40度だった日のこと、37度が続いた日々のことを思えば、涼しいものだ。

 

えーっと・・・もう秋、だよね?
だから大丈夫、という気持ちもあって、先日、夫と次女と3人で少し遠くまでドライブし、外歩きを楽しんだ。

 

夏の間、必要最低限の外出しかしなかった私。ショッピングモールを歩く、みたいなのとは違う本当のお散歩なんて、いったい何か月ぶりだろう。

 

前日に次女から「お裾分けしたいものがあるから、明日そっちに行っていい?」と連絡があった。その際、せっかくだし一緒にどこかお出掛けもしない?と言ってくれたのだった。

 

「私は犬山に行きたいなぁ」と次女。
彼女の好きなユーチューバーさんが犬山にゆかりのある人で、よく彼の地の話をしているらしい。それで、犬山に行きたい、特に城下町をゆっくり歩いてみたい、と思ったようだ。

 

実は、犬山には去年、夫と行っている。そのときは“尾張のもみじでら”とも呼ばれる「寂光院」に紅葉狩りに行き、帰り際、犬山城を仰ぎ見ながらの城下町散策もした。

 

あの日、あの町にとても良い印象を持ったので、まだ紅葉には早いけれど、次女と一緒にまた行ってみるのもいいね、と夫と頷きあったのだった。

 


我が家から高速道路を利用しクルマで1時間弱。シェアカーを借り、次女の運転で行った。青空が広がり、絶好のドライブ日和♬

 

1年ぶりの犬山城下町は、よく賑わっていた。
15年ほど前に私は取材でも訪れたことがあるのだが、こんなには人が歩いていなかったと思う。もちろん、曜日によっても違うのだろうけど。そして、やっぱり外国人の観光客が多かった。インバウンド…どの観光地もきっとそうだよね。

 

私が取材したときは、城下町をもっと盛り上げたいという話を聞いたから、これは喜ばしいことなのは間違いない。地域主導の観光活性化策が功を奏したのね。良かったですね(*^^*)

 

本当、昔と違う。新しい、可愛いお店がすごく増えていた。食べ歩きグルメが楽しめるということで、若い人たちが多いし。SNSで投稿したくなる、いわゆる「映える」写真が撮れるらしい。お洒落なフード&スイーツを提供する人気店がたくさんあるのだと、次女も言っていた。

 

犬山城を仰ぎ見ながらの城下町散策

 

私たちも、可愛いお店でスイーツを買って食べてみた。カヌレを砕いて混ぜたアイスとか、クランベリーのブラウニーとか、あと何だか忘れちゃったアイス。笑

 

とても美味しかった。ただ、若い人のように食べながら歩くのには抵抗があり、建物の隙間の空間で立っていただいた。できることなら座って食べたかったな、と。笑

 


さて、犬山城。天守閣の写真を撮りたくて近くまで行ったが、疲れていたので今回は入城はやめておいた。

 

1537年(天文6年)に織田与次郎信康(織田信長の叔父さん)により築城されたという、国宝・犬山城。天守は現存する日本最古のものとのこと。昔、登閣したことがあるが、木材の急な階段が怖かったっけ。

 

でも、貴重な経験だったと思う。最上階には外に出て一周できる廻縁があり、そこからの眺めは絶景だった。私は名古屋城より好きかも♬

 

国宝・犬山城

 

ちょっと座って休憩したいと、また城下町に戻った私たち。カラフルなお団子や飛騨牛のあぶり寿司など、どこも長い行列だ。

 

ウッドデッキの2階にテラス席のある、フードコートのような一角があり、たこ串焼きや牛たこ焼き、飛騨牛串焼きを買って、席でいただいた。ランチどきを過ぎていたからか、そこは空いていて。パラソルの下を吹き抜ける風も爽やかで、ゆっくりくつろげて嬉しかった。

 

ああ、クルマじゃなかったら、ビールもいただきたかったなあ。ジンジャエールで我慢したけど。笑

 


その後は、去年も立ち寄った木曽川の川べりに行くことにする。大きな川の好きな次女に、是非、見せたい景色があった。

 

犬山城は木曽川を背にした絶壁の上に建っている。そのお城を遠く眺められる、川沿いの公園。奇岩があちこちに顔を出す木曽川は穏やかな流れなのにダイナミックな景色で、なんだかわくわくしてしまうのだ。スカッとする、というか・・・

 

夕方の、やわらかい光。生い茂った緑の草が、風に吹かれて輝いている。
深く息を吸えば、みずみずしい、良い香りがする。

 

 

山の上に見えるのは犬山モンキーパークの観覧車

 

水辺の、辺りが開けた広い景色は、心をすっきりさせてくれると思う。疲れているのに、歩くことが苦にならなかった。こういう時間を、きっと私は求めていたのだと思う。

 

疲れを癒してくれる景色、などというのとはちょっと違う。本来の自分らしさを取り戻させてくれるような、正常に導いてくれるような、そんな「整体」的な風景と時間なのだった。

 


引きこもりがちとはいえ、これでけっこう私もいろいろあって忙しいのである。焦ってもいるし、不安でもあるし、悩んでもいる。楽しいこともたくさんあるけど、楽しいことだって疲れる。いろいろなアイディアが次から次へと湧いてくるのは、嬉しい興奮でもあるが、「まだ、あれもこれも、できていない!」と、こなせない自分への苛立ちをも、生む。

 

そういうときは、深呼吸が一番大事なのだけどね。一点集中しているとそんなことは忘れてしまう。結果、だんだん変なことになっていく。(私の場合)

 

あれ?今、私、ちょっとおかしいな。
そう思ったら、思えたら・・・それは実はチャンスなのだ。
自分をチューニングすることに、気持ちを向けることができる。

 

次女が連絡してくれたタイミングは、最高だった。私は、あれもこれもと欲張って、溺れそうになっていたから。本当は、そんなタイプではないはずなのに。

 

城下町を、他愛ない話をしながら散策し、雄大な川の景色に圧倒されて・・・
「こういうの、私、好きだよね」と内側に話しかけたとき、なんだか取り戻せた気がする、本来の自分を。

 

それは多分、自分が自分を尊重した、ということで起きたチューニングなのだと思う。ゆっくりダイヤルをひねって周波数を合わせていくように。確かめながら楽器を調律していくように。

 

どこかずれてきているような気がしたら、それを無視しない方がいい。
耳を傾ければきっと聞こえてくる。自分が自分にどうしてほしいか。それが、自分を尊重するということなのだと思う。

 

誤解なく伝わってくれたらいいな、と願いながら、この体験をシェアしたい。
今、すごくラクになっています(*^^*)

 

外歩きの楽しい季節になってきたことが、私はとても嬉しい。この秋、短そうだけど、楽しみましょう。味わいましょう𓂃˖‬*゚

 

 

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ノスタルジーとタイプライター

 

少女の頃、憧れていたもののひとつに、タイプライターがある。
1950年代、60年代の洋画で時折り目にしたり、ファッション誌の作り込んだページに、お洒落な小物として登場しているのに目をとめたり。多分、そんなことがきっかけで、いいなあ♡と思ったのだろう。

 

「タイプライターで小説を書きたいなあって、思ってたの」
と夫に言ったら、
「そもそも、欧文で文章書けないでしょう、アナタ」
と返ってきた。う~ごもっとも!

 


暑すぎる夏。そして長すぎる夏。
体温超えの気温の日が続き、生命の危険を感じるため、外出は極力控えている私。もうここ数年、夏はいつもこうだけど、今年は特に酷い。バスに乗って歯科クリニックへ行っただけで、軽い熱中症みたいになって帰ってくる始末。

 

そんな過酷な夏から逃げ出したい気持ちもあり、よく映画を観ている。もちろん自宅で。映画館に出掛けるにも、準備と勇気が必要だから。情けないけど、仕方ない。

 

映画。いろいろ観ているけど、最近はまた古い洋画に気持ちが向くようになっている。ノスタルジーを感じることが、私には心地良いと気付いたからだ。自分の生まれる前に公開された映画を「懐かしい」と思うのも、おかしな話なのだけど。

 


父や母たちの青春の頃にかかっていたであろう欧米の映画。私は子どもの頃、TVのロードショー番組で放送されたのをいくつか観た。

 

まだ我が家にはビデオデッキすらない時代。この映画を観られるのは一度きりかも、と思いながら夢中になって画面を見つめた。ロマンティックコメディが特に好きで、なんてお洒落で素敵なんだろう、と憧れた。

 

そういえば、中学の時、我が校では学校の体育館で映画を上映する催しがあった。多分、年に一度。

 

チャップリンの「モダン・タイムス」とジェームズ・ディーンの「エデンの東」を観たことは、はっきり覚えている。前知識ゼロで何気なく見始めたのに、いつしか心を鷲づかみにされていたっけ。名作とは、そういうものなのかな。

 

高校生になり、ちょっとお姉さんたちが読むファッション誌を手にするようになると、頻繁に登場するオードリー・ヘプバーンが大好きになった。映画も観た。

 

まさしくファッション・アイコン。美しい努力家であるだけでなく、知的で個性的で、愛らしく純真。唯一無二のスターである。今も、そしてこれからも、その存在は特別であることは間違いない。

 


私にとって、スター目当てで観ることも多い昔の洋画だが、当時の流行の風俗やスタイルが窺えるのも、興味深い。むしろ、最近の私はそれが観たくて、古い映画を選んでいるのかも。

 

ノスタルジーを感じると、なぜ心が安らいだり華やいだり、前向きな気分になったりするのか。どんな物語に、よりそれを感じるのか、ちょっと確かめたい気持ちもある。

 

思えば、レトロな町や建築物、レトロな店、レトロなインテリア…などは、好きな人が多いよね。「なんか可愛い」とか「雰囲気がお洒落」とか、そういう感想がよく聞かれるけど、本当のところ、なぜ惹かれるのだろう。古さだけで言えば、忌み嫌われてる昔のモノや風習もたくさんあるのに。いや、人によって違うのだろうか。

 

レトロ、アンティーク、クラシック。どこがどう、好ましい懐古的な感情につながるのだろうかと、興味は尽きない。

 


私にとってのノスタルジーを感じるモノって、何だろう?
そう考えたとき、真っ先に思い付いたのが、冒頭のタイプライターだった。

 

昔の映画で見かけたはずなんだよなーと、思ったのではあるが、どの作品だったのか思い出せない。いくつか古い名画を見ているが、今のところ、これだ!という確信はなく、ちょっと悔しい。

 

「タイピスト!」というフランス映画も観たが、こちらは1950年代を舞台にしてはいるものの、2012年の作品だ。ちなみに、登場するタイプライターは洒落ていた。そしてヒロインを演じたデボラ・フランソワは可愛かったなあ。あきらかにオードリーを意識している感じだったけどね。

 

はて。私はいつ、どこでタイプライターなるものを知り、それに憧れはじめたのか。
ティーンエイジャーだった頃ははるか遠い遠い昔になってしまい、謎解きの手掛かりは薄い。きっかけは映画ではないかもしれない。こうなってくると、ファッション誌説も怪しい。

 

そういえば、20歳のときから住み始めた東京・目黒で、近所にオリベッティ社があった。瀟洒な建物で、すごく目立っていた。さすが、イタリア!と思ったものだ。タイプライターといえば、オリベッティ。そんなところからも、憧れが強くなっていったのかもしれない。

 

タイプライターのことを考えたり調べたりしつつ、刺しゅうもしてみた。英語で小説を書けたなら(笑)、私はどんな物語をタイプライターで綴っていたかな、などと思いを馳せながら。

 

ほらね。やっぱり楽しい気分になる。幸せホルモンと呼ばれる脳内神経伝達物質が、きっと分泌をじゃんじゃん促されたのだ。セロトニン?オキシトシン?ドーパミン?β-エンドルフィン?
手芸×ノスタルジーは最強かも♬

 


ところで。
画像や映像でない、本物のタイプライターを最後に見たのは、いつだったかな。どこかの展覧会?美術館とか博物館とか?

 

いつしかワープロ、そしてPCの時代となり、タイプライターは今はもう、装飾品としてカフェなどに置かれているイメージなのだけど、違うだろうか。

 

憧れだったタイプライターは、もうこの先の私の人生で、道具として目の前に現れることはないだろう。そう思うと、ちょっと寂しい。でもその寂しさも、ノスタルジーの気分をより美しくきらめかせている気がする・・・

 

「大学時代、後輩に英文科のやつがいて、彼の下宿でタイプライターを打たせてもらったことがあるよ。面白かった」

 

件の夫の発言である。
なんだろう、すごく憎たらしい!笑

 

✻ふと気付いたのですが、このブログを始めて10年がたったようです。細々とここまで続けられたのは、読んでくださる方がいたから。皆さまのおかげと、心から感謝しております。
本当にのんびり過ぎる更新頻度で・・・ちょっと反省しつつ。
きっとこれからもこんな調子だと思いますが、よろしければどうぞ今後ともお付き合いくださいませ。よろしくお願いいたします。


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曲がり角の向こうにワクワクしたい―「赤毛のアン」と私

 

 未来が読めなくてよかった
 有り得やしないことでも
 好きに書けるから
 ・・・

 

ここのところ、毎日、頭の中でこの曲が流れている。
とたの「予感」。
NHKEテレのアニメ「アン・シャーリー」の主題歌だ。このアニメを、私は毎週楽しみに録画して観ている。

 


初めて「赤毛のアン」を読んだのは、多分、小学校の図書室。私は3回転校しているのだけど、どの学校でも図書室で過ごす時間が長かった。あの頃、今よりずっとたくさん、本を読んでいたなあ。

 

背伸びして上級生や大人の読むような本もいろいろ手にしたが、「若草物語」とか「あしながおじさん」とか「秘密の花園」とか、少女文学と呼ばれるものも、よく読んだ。「赤毛のアン」もそのひとつ。

 

で、特にこの物語だけが特別な存在になっていたわけではない、はずなんだけど・・・

 

18歳のとき、子供向けにリライトされたものじゃない「赤毛のアン」を、書店で何気なく手に取り、購入した。そして帰りの電車で読み始めたら止まらなくなり、次々とシリーズを買い揃えることになってしまった。11巻12冊。アンは長編小説なのだった。

 

村岡花子訳の新潮文庫は、多分、今も探せば家のどこかにあるはずだ。夢中になって読んだあの頃の思い出が愛しくて、何度かの引越しや断捨離でも手放さなかったから。

 

40年以上前のあのときめきは忘れられない。あの日から、「赤毛のアン」は私の中での特別になったんだと思う。

 

今、目の前にある本棚にもアンがいた。こちらは掛川恭子訳の講談社の単行本で完訳版と銘打ってある。この本、いつ購入したのか思い出せないのだけど、クラシックな花模様の装丁が美しいから、本屋さんで見つけてつい買っちゃったのかな。

 


カナダの作家L・M・モンゴメリが「赤毛のアン」を発表したのは1908年。村岡花子が訳して三笠書房から出版されたのが1952年のことだという。

 

みんなに愛される名作だから、これまでも各社からおびただしい数の抄訳本、完訳本が出ているし、児童書はもちろん、漫画にもアニメにもなった。映画、舞台にもなっている。アンが大好きな人って、世界中にいったいどれほどいることだろう。

 

私もアンが大好きなひとりになっていたが、そのことを改めて思い出させてくれたのは、NHK総合のテレビドラマ「アンという名の少女」だった。カナダCBCとNetflixにより共同制作されたものらしい。NHKでは2020年9月から放送され、2022年3月にシーズン3で終了。

 

このドラマ、私の知っているアンの物語とはかなり印象が異なるのだけど、原作とは違う物語として話を追った。シリアスなテーマもたっぷり盛り込んでいて、なんというか、目が離せなかった。そして、アン役の役者さん(エイミーベス・マクナルティ)がとても魅力的で好きだったなあ。オープニングの映像も、幻想的で本当に素敵だった。

 

まだまだ続くと思われた物語が、ちょっと中途半端な感じで終わってしまったのは残念。共同制作の両社の関係悪化?など複数の理由で、シーズン3をもって打ち切りになったという話だ。私は今でもまだ、シーズン4を作ってほしいと思っているけど、難しいかなあ。

 


そして今年の4月。Eテレで始まったのが、アニメ「アン・シャーリー」だ。
どんな感じなのかな?と見始めたら、これがすごく良い!

 

絵も可愛いし、オープニングも海外ドラマとはまた違う魅力がはじけている。とたさんの歌う「予感」がアンの物語にピッタリで、なぜか毎回ちょっと涙が出そうになる。

 

 ここで待ってるよ ねえ待ってるよ
 夢は照れ屋でかくれんぼが上手

 

一緒にくちずさみ、アンの世界に入っていく。もう何度も何度もこの世界に入ったことがあるのに、ストーリーの続きも知っているのに、エンディングになるといつも、来週が待ち遠しいと思ってしまう。心が浄められたようになっていて、なぜかまた泣きそうになる。

 


そうそう、6月にアンのアニメの劇場版も観に行ってきた。
こちらは『赤毛のアン ~グリーンゲーブルズへの道~』というタイトル。1979年に放送された全50話のテレビシリーズの中から1〜6話を編集した劇場作品で、全国の一部映画館で2週間限定のリバイバル上映、とのことだった。

 

いや、知らなかった、私としたことが。1979年。日曜日の午後7時半からの、こどもたちのゴールデンタイム。あのジブリの人たちが手掛けた「赤毛のアン」のアニメが放送されていたのね。世界名作劇場、だったかな?その前はカルピスまんが劇場だったかな?私も小学生の頃だったら、その時間帯はしっかりテレビの前にいたんだろうけど・・・

 

ああ、それこそ、書店で久々にアンと再会した頃ではないか。そういえば、あの頃、「赤毛のアン」関連の書籍がたくさん平積みされていた記憶がある。プリンス・エドワード島の写真集みたいなものとか、アンに出てくる料理の本とか、手芸本とか?
・・・ブームだったのかも。テレビアニメが火つけ役になって。なるほど、と今頃、腑に落ちた私だった。

 

映画のことを夫から教えてもらい「観に行く?」と聞かれたときは、実はちょっと迷ったのだけど、結局行った。夫も同行。笑

 

70年代のアニメーションだからね。今放送中の「アン・シャーリー」とはもちろん、まるで違った。作画も音声も、技術的な古さはあるし、セリフもちょっと違和感がある。でもでも、だからこそ素朴で温かく、惹きつけられるものがあった。

 

ゆったりとした水彩画のような映像。特に、アンがマシューに連れられてグリーン・ゲイブルズへ馬車で向かう道の描写が印象的。白い花が満開の、リンゴの並木道。美しかった。

 

私はアンを大好きな人のうちのひとり、だと自覚しているが、どこがどう好きなのか……例えば夫にもずっと上手く説明できずにいた。アンという少女のユニークなキャラクター、周囲の人たちと紡いでいく日常の輝き、プリンス・エドワード島の自然の美しさ、昔のカナダの地方の暮らし方への憧れなどなど、たくさんあるのだけど、なんだかまとまらない。

 

映画を見終わって、多分こういうお話にはあまり興味がないと思われる夫に「どうだった?」と聞いてみた。すると
「いい子だねえ」
としみじみ一言、返ってきた。シンプル。
でも、そうなんだよね、と思った。
アンがとてもいい子で、純真で。だからみんな好きになるんだね、シンプルに、きっと。

 


アンは突拍子もないことをして、周囲を驚かせることが多いけれど、まっすぐな思いや優しさを彼女独特の言葉にして、みんなを幸せな明日へ運ぶ力がある。中でも「こう考えたらすてきじゃない?」という言葉が、本当にたくさん!

 

「明日という日は、何ひとつ間違いの起こっていない新しい日だと思うとすてきじゃない?」
「なつかしい、美しい考えは、宝石のように胸にしまっておくほうがすてきだわ」
「曲がり角の先に何があるか、今は分からない。でも、きっと素晴らしいものに違いないと信じることにしたわ」

 

私は救われてきた。励まされてきた。
その前向きな考え方に。愛らしい言葉選びに。

 

曲がり角は、私の人生の途中にも、何度も何度も現れた。
見通せないその先は、不安だし、怖い。でも、その先はきっと良いものに違いないと信じて、ワクワクしながら歩いて行こうかなって、その度に思い、ここまで来た気がする。

 

大きく腕を振って、笑顔で飛び込めば、どんな道に続いていても切り拓いていける。きっと大丈夫!と。
曲がり角の向こう、楽しみだな!と。

 

アンの言葉のおかげだったのかもしれない。今、そう思う。
多感な少女期に読んだ「赤毛のアン」が、あの日からそっと私の胸に住みついていたのだろう。普段は全然、意識していないのだけど、ふとした拍子に人生を肯定するような明るい考えが湧き上がってくるのは、きっとアンのおかげ。

 

アンには名言が多いから、またゆっくり読み返そうかな。松本侑子さんなど他の方の訳したアンも読んでみたい。

 


冒頭の写真は、アンが教会の日曜学校へ向かう道々、キンポウゲや野バラを摘んで自分の(そっけないほど飾りひとつない)帽子に刺していくシーンを思い描き、刺しゅうしたもの。

 

教会ではみんな、派手に飾り立てた帽子にぎょっとしたり呆れたり。でも本人はとても満足した顔をしていたという描写が可笑しくて。

 

それと、花で帽子を飾るなんて、素敵じゃーん♡と私は思ったし。
道で可愛らしい花を見つけて手を伸ばしたとき、アンはどんな気持ちだったんだろうと想像すると、こちらまで楽しくなり、その帽子を刺しゅうしてみたくなった。

 

金色に輝くキンポウゲやピンクの可愛らしい野バラ。(注:掛川恭子訳の本より。アニメではピンクの野バラではなく白いお花でした)
これを大人っぽく描くのは難しく、思っていたよりラブリーな図案になってしまったけど、仕方ないか。刺している間中、楽しかったし♬
アンが見たら、喜んでくれたかな?


✻アニメ『アン・シャーリー』ノンクレジットオープニング映像 | とた「予感」

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夏の薔薇に、心救われて

 

先月お迎えした鉢植えの薔薇は、春の花が終わり、夏花が咲き始めた。
今、ベランダの「そこだけ」が特別明るく輝いて見える。淡いアプリコット色の花びらと、濃いグリーンの葉が、まるで光を集めているかのようだ。

 

一日に何度も何度も、薔薇を見に行く。それはもう我ながら呆れるほどなのだけど、本当に可愛らしくてね。

 

まだ梅雨明けの知らせはないが、真夏のように太陽が照り付ける毎日。6月にしてこの暑さ・・・先が思いやられる。
これまで1度の追肥と2度の消毒をし、なんとか梅雨はやり過ごせそうだと安堵しているが、薔薇初心者はこれからの猛暑も心配で、不安で、ソワソワと落ち着かない。今後もGoogle AIのGeminiさんに相談しながら乗りきろうと思う。

 


さて。
清水の実家の片付けに、先週、夫と行ってきた。静岡市も、まあ暑かったこと!

 

清水行きは、今年はまだ2回目だ。
父が他界して3年と4か月になる。当初は結構頻繁に通っていたのだけど、今はもう、年に4度くらい行くのがやっとかな、という感じだ。

 

そしてそろそろ、本当にあの家とお別れすることを考えなくては、と思っている。さまざまな思いが胸に渦巻き、考えるのも辛いのだけどね。清水での作業は、体が疲れること以上に、心がクタクタになるのだ。

 


その清水滞在。今回、2泊を予定していたのだが、ひょんなことから1泊で帰ることになってしまった。

 

なんとエアコンが壊れたのだった。1階のエアコンはかなり古くて、前から怪しい音もしており、「これはそろそろだな」とは思っていた。が、2階の寝室のエアコンまでダメになってしまうなんて!

 

最初の晩、窓をあけて扇風機を回して寝たのだけど、暑さで全く寝付けず、「もう無理だ!明日帰ろう」と呻いた。

 

エアコンを新調するのは、ちょっと潔しとしないのである。誰も住む予定のない家、なのだから。まだ数回は作業に訪れる必要があるが、それだって、なにも暑い時期や寒い時期にせず、気候の良い季節を選べば済むことなのだ。

 

ほとんど眠れないまま迎えた2日目は、しかし、帰ると決めたからこそよく動けた。
夫は庭の草刈りと除草剤散布、そして庭木の剪定を頑張ってくれた。申し込みをしていた粗大ごみの回収車も来て、家の中はまた少しだけ広くなった。私は寝具を中心に洗濯を3回。掃除機をかけ、キッチンシンクとトイレを磨き、仏壇を拭く。

 

お昼前には、あらかたミッションはクリア。前日のうちに、駐車場代半年分の支払いも済ませたし、ご近所への挨拶もしてある。なあんだ、頑張れば1泊でも結構やれるじゃん!

 

シャワーを浴びた夫と、美味しいものでも食べに行こうか、とクルマに乗る。ランチの前に、ハードオフに寄って、父の古いレコードや母のフラダンスの衣装群(コサージュやネックレス、レイもたくさん)を置いてくる。全部で250円だったけど、お金ではない。捨てるよりずっと心の負担は少ないので、そこが大事なのだ。良い人のところへ辿り着きますように・・・

 


さて、ランチだ。
草薙にある「Sale pepe」という小さなイタリアンレストラン。ここのサラダパスタランチが気に入っているので、私たちは今回も同じものをいただいた。キヌアのサラダが彩り美しく味付けも上品で好き。冷製パスタも美味しかったけど、私はサラダの方が実はお目当てだった。(夫はケールサラダ。こちらも美味しそう♡)

 

暑さと疲労でグッタリしていたのに、からだに良いものを美味しくしっかりいただいたからか、だいぶ回復できた気がする。デザートのパンナコッタも良いお味♬

 


この後、今年になって施設に入所した伯母の面会に・・・
現地駐車場で、伯母の息子と娘、つまり私のいとこたちと待ち合わせていた。

 

従妹は関東から、そして従兄はオーストラリアから清水入りしている。ひとつ違いの従妹には4月にも清水で会っているけど、お兄ちゃんとはなんと、40年ぶりの再会。

 

伯母は、4月に会ったときよりまた一回り小さくなってしまった感じがした。切なかったが、終始穏やかに微笑んでいて、優しい時間を過ごすことができた。

 

でも、やっぱり心配。
いとこたちの遠距離介護はきっと、私たちのとき以上に大変なことだろう。天国の伯父さま、どうぞ守ってくださいね。

 


そんな感じの、今回の清水滞在。たった1泊2日だったのに、我が家に辿り着くと息切れがした。おびただしい情報と記憶で頭の中はぱんぱん。「え?清水に行ったのって、昨日だっけ?」と夫と顔を見合わせた。笑

 

1日早めて帰ってこられたので、翌朝の可燃ごみ収集日に間に合った。清水から持ち帰った草が、45リットルの指定袋5つもあったから、すぐに処分できるのは助かった。

 

そしてそして、薔薇である。
「ふじこちゃん、元気かなあ?」と、夫がいそいそと窓辺に見に行くのが可笑しかった。

 

✻ふじこちゃんの命名についてはこちらの記事に↓

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薔薇は水が大好き。暑い中、水遣りができない日が続くのはとても心配だったので、やっぱり1泊で帰ってこられたのは嬉しかった。

 

夫も私も、軽い熱中症みたいに具合が悪くなってしまっていたが、薔薇のおかげで心が穏やかに戻っていくのがわかった。なんだか、心配していた人に逆に救われた感じ。笑

 

ふじこちゃんは元気で健やかだ。冒頭の写真は今朝の姿。花が重すぎて下を向いてしまった2輪はカットし、花瓶に入れて飾った。ちょっと寂しくなっちゃったけど、まだ3つほど蕾もあり、開花が楽しみ♬

 


さて、明日で6月も終わる。あれ、夏本番はこれからなのね。
というか、夏、長いよね!
1年の半分くらい、夏なのでは?
私、大丈夫かなあ。。。(夏、苦手。。。)

 

若く見てもらえることも結構多く、それは大変ありがたいのだけど、Over 60なのだ、無理は禁物。年寄りの冷や水、という言葉もある。自分のからだと心の様子をちゃんと観察して、できそうもないときは諦める、ということもしていかなくては。いろいろと。

 

本当は冬眠ならぬ夏眠に入り、10月くらいまで眠っていたいところだ。
でも、そういうわけにもいかないのね・・・なんて。
実は頑張りたいことはいろいろあるので、涼しくしながらちゃんと頑張ります。
それにしても、エアコンさんってありがたいね(*^^*)

 

頑張りたいことのひとつが、刺しゅう。今朝は、刺しゅう枠スタンドも届き、次の作品に取り掛かるのが楽しみだ。

 

下の写真は、先日完成した作品。
「アナベルって女の子の名前みたいだなあ」と思ったところから、心に浮かんだ物語を図案化した。
アナベルの花言葉は「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」など◌𓈒𓐍˖‬*゚

 

 

夢みるアナベル

 


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応援してるよ♡―長女の家で過ごした3日間

 

もうすぐ5月が終わってしまう。
毎年のことだけど、この時期はちょっと寂しい気分になる。特に今年は、5月らしい晴天の日が少なかったのが残念。このまま入梅してしまうのかな。もうすでに梅雨みたいなのだけどね。

 

先週の週末も曇天で、一時強い雨が降った。
夫と私は、関西の長女たちの家で金曜日から3日間を過ごしたが、たまに薄日が差すことはあっても、最後まですっきり晴れることはなかった。

 

とはいえ、去年の12月以来の再会である。そりゃあ、楽しみにしていたわけで(*^^*)
日々頑張ってる長女や婿どのと語らい、ますますパワフルになった孫娘たちと遊べば、天気などどうでもいいやと思えてくるのだった。

 

小学2年生になった孫娘の運動会にも、みんなで応援に行くことができた。雨天延期をギリギリまで心配していたが、なんとか2時間ほど雨はこらえてくれて。

 

入場行進、ダンス、駆けっこ、リレー、玉入れ・・・
降り出しそうな空を見上げつつ、私たちは歓声を上げ、拍手をした。

 

ついに降り出した雨。その後のいくつかの演目は中止となったものの、子どもたちの頑張る姿をたくさん見せてもらえて満足だ。

 

来年は、双子の姉妹も小学生。時が経つのは本当に早い。

 

ピカピカのほっぺたを天然の頬紅が染めあげ、こちらを見上げる瞳には星がいっぱい輝いている。
この子たちの未来はこれからなんだな。どうかその未来が、ずっと平和でありますように、と願わずにはいられない。

 

✻運動会には去年も行きました。そのときのお話はこちら↓

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短い時間だったけど、長女の話もちゃんと聞くことができた。
午後4時まで仕事をして、保育所に双子を迎えに行き、小学校の学童保育の教室で待つお姉ちゃんをピックアップ。帰れば夕食の支度が待っている。そんな、慌しくも充実した毎日を送っている我が娘だが、「幸せなんだけどね」と前置きして、胸にしまってある悩み事を聞かせてくれた。

 

それがなんというか、娘と話しているというよりも、友だちと話しているみたいな気分になったのだ。その悩みはとてもよくわかるし、昔の私もそうだった。いや、今の私だって似たようなことを考えている。

 

子育ての悩みも、もちろんまだたくさんあるのだろうけど、それよりも子育て後の自分のこれからをどうデザインしていこうかというのを、今は大きなテーマにして考えているんだね。

 

そういえば私の娘たちはふたりとも、もう30代になっている。そのことに改めて驚く私だった。

 

時が経つのは本当に早い。(再度)
ふたりが世の中に飛び立っていったのが、ついこの間のことのようなのに。

 

運動会の応援のように、歓声や拍手は送れないけど、娘たちの未来よ輝け、何度でも輝け!と、見えないチアリーダーを送り込むようにして応援したい。そして世の中が平和であるようにと、穏やかであってくれと、やはり願わずにはいられない。

 

雨上がりの庭に出ると、長女が好きなアジサイが咲いていた。双子の姉の方が、「ママが大事にしているアジサイだよ」と嬉しそうに教えてくれた。冒頭の写真はそのとき撮ったもの。花を包む小さな手に愛情を感じて、健やかに育っているんだなあと、そのことが嬉しかった。

 


お別れの日曜日、少し離れた場所にある運動公園へ行った。

 

ここで、双子の妹の方が、私とサイクルモノレールを漕ぎたいと言ってくれた。「さあ!行くよ!しっかり漕いで!」と5歳児にハッパをかけられた私。乗車を手伝ってくれるスタッフさんがウケて大笑い。

 

そうそう、このスタッフさんに「お嬢さんは奥に座ってね。お母さんはこちらに」と言われてしまった。「え?お母さん?」と思ったけど、訂正はせず。笑

 

まあお世辞なんだろうけどね、悪い気はしない。
そういえば、運動公園に行く前に立ち寄ったクラシックカーイベントの会場でも、キッチンカーの若い女性に嬉しいことを言ってもらえた。

 

「クルマ、お好きなんですか?」
「あ、いえ、たまたま立ち寄っただけで」
「すみません。オシャレな方やな~素敵やわ~と思って見てたんです。たまにいらっしゃるんですよ、お客さんみたいにふわ~っとしてる雰囲気の人が実はバリバリっていう」
「え?バリバリ?笑」

 

そうかあ。クルマ、似合うかな、私?
うーん、MGミジェットとか、ちょっと乗ってみたいかも♡

 

まあこれもお世辞なんだろうけどね、悪い気はしないではないか。
この日、私がすっかりご機嫌だったことは言うまでもない。笑

 


広い運動公園では、孫娘たちのパワー全開の動きに圧倒されっぱなしだった。体力、あるなあ!
たっぷり一緒に遊べて、彼女たちの成長をしっかり見られて、夫も私も大満足である。いや、その後の筋肉痛は怖かったけど~。

 

お別れの時間が近づくと、みんなちょっとしんみりしてきて、抱きついてきたり、ダッコをせがんだり。これ、毎回のことで、いつも切なくなってしまうのだ。でも、そうしてくれるのもいつまでかな、と思うと、すごく大事な時間をもらっている気がする。甘えてくれてありがとう♬

 

夕方の風が心地良い。大きく深呼吸をする。
公園まで、クルマでずいぶん長く山道を走ったから、ここはきっと山の中なんだろうと思っていたのだけど、すぐ近くに海が見えた。これには長女も驚き、「まだまだこの辺りのことを知らないんだなあ、今通って来た道も初めてだったし」と言っていた。

 

つまりは、これからも面白い発見がいっぱいできる、ということだね。楽しみだね(*^^*)

 

お天気はいまひとつだったけれど、空気はしっとりひんやり気持ちよく、紫外線もあまり気にせずにすんで、むしろ良かったかもしれない。曇り空も雨模様も、5月なら、なかなか快適だ。

 

次はいつ、会えるかな?
駐車場でバイバイして、夫と私は帰路についた。心地良い疲れを抱いて、またロングドライブだ。

 

時折り、チラチラと見える和歌山湾に、雲間から差す陽光がきらめく。無性にコーヒーが飲みたくなった。

 

 

運動公園から見えた海は、去年行った煙樹ヶ浜らしい




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ローズガーデンと、一鉢の薔薇

 

5月は私にとって特別で大切な月。
いつからそうなったのだろう?

 

昔は、それほど意識していなかった。母の日があって、大型連休がある、気候的にも過ごしやすい時期、くらいの印象だったはず・・・。

 

昨日、私たち夫婦は36回目の結婚記念日を迎えた。離れて暮らす二人の娘から「我が家のお誕生日おめでとう♬」とLINEメッセージが届き、ちょっと嬉しい。結婚記念日は家族が誕生した記念日、という捉え方は、なかなか気に入っている。我がファミリーも、もう36歳なんだなあ。

 

そう、36年前からは、5月は「母の日」と「結婚記念日」のある月になったのだ。今ではHIDEKIの命日もあるし、5年前からは母の命日も加わってしまった。

 

そんな特別で大切な5月はまた、薔薇の見頃を迎える月でもある。10年くらい前からかな、薔薇を見に行くのが毎年の楽しみになっている私。だから、5月は本当にスペシャルなのだ。

 

今年は次女が、母の日に一緒にローズガーデンに行きたいと言ってくれたので、どこへ行こうか夫と3人で相談、迷った末、去年の秋にも行った「ぎふワールド・ローズガーデン」に決めたのだった。

 

gifu-wrg.jp

 

この日、まだ見頃には少し早い様子だったけど、手入れの行き届いた広大な庭園は、さすがの美しさ。咲き誇る前のほころびかけた薔薇たちもみずみずしい芳香を放ち、薔薇散歩する人々をうっとりさせていた。

 

ぎふワールド・ローズガーデンの画像

5月11日のぎふワールド・ローズガーデン

 

そして帰り際、私は一鉢の薔薇を買った。いつかは自分で薔薇を育ててみたいと思っていたので、実はここに来るたび、園内ショップや多くの園芸社の出店を眺めて迷っていたのだが、今年はやっと買うことができた。

 

迷っていたのは、上手に育てられるか自信がなかったから。ここ数年で、ベランダの植物もたくさん枯らしてしまった私。薔薇は手入れが大変だと聞いていたし、デリケートな生き物のお世話をするには、ずっと心の余裕がなさすぎた。

 

今は余裕がある、というわけではないのだけどね。美しい薔薇を“丹精込めて育てる”ということがしてみたいと、今なら楽しく頑張れそうだと、ちょっと思えてしまって。

 

店頭で「香りの良いのはどのコですか?」と聞き、勧められた中から、花付きの良い一鉢をお迎えすることに。

 

「フジサン・フォーエバー」。
デンマークの育種家Rosa Eskelund(ローザ・エスケルンド)さんが、日本の富士山を想起して名付けたという品種だ。

 

どうやらミニバラらしいのだけど、お花、大きい!
そして、濃淡のピンクやアプリコット色、クリーム色、白、と季節や紫外線量によって変わる花色がまた、どれも可愛らしい。もちろん、素敵な香りがする♡

 

帰宅し、窓際に置いてみる。数日なら、このまま室内で楽しんでも大丈夫らしい。私の家に、薔薇が来た!

 

購入したばかりのフジサン・フォーエバー

 

さて、それから調べ物が始まる。笑
植木鉢で育てるときの注意点は?土は?肥料は?病害虫対策は?
薔薇初心者は、やっぱり心細くなる。見かねて夫もいろいろ調べてくれた。

 

よし、ホームセンターで必要なものを買ってこよう、ということになったのだけど、ふと、思い出した。豊田市の「花遊庭」というガーデンに隣接して、大きなガーデニングショップがあったではないか。あそこに行けば、揃うんじゃない?と。

 

そして、あそこに行くならば、当然、「花遊庭」にも行くでしょう♬となって。笑
私はまたローズガーデンに行くことができたのだった。\(^o^)/

 

www.kayutei.co.jp

 


薔薇はちょうど見頃を迎えていて、開園を待つ時間も、壁面に植えられた花たちが甘い香りで歓迎してくれた。園内はそれはもう、夢のお庭で。笑

 

花遊庭no

5月19日の花遊庭

 

花遊庭の画像

こちらも花遊庭

 

前述の「ぎふワールド・ローズガーデン」も、豊田市の「花遊庭」も、これまで何度も訪れているけれど、毎回、感動してしまう。ただ薔薇がたくさんある、というだけでは、こんな気持ちにはならないだろう。

 

エリアごとに洗練された世界観が広がるのがすごい。構造物も使い、花の色、姿、香りを存分に活かして、見せたいテーマを素敵に表現している。腕のあるガーデナーさん、リスペクト!

 


さて。ガーデン内のティーハウスでランチをいただき、隣接のガーデニングショップと、長久手市内のホームセンターで薔薇を育てるためのあれこれを買って、帰宅。植木鉢は家にあるもので良いことにして、もうこれで植え替えの準備は万端だ。

 

そして翌朝。つまり昨日の結婚記念日。
私は夫とともに、薔薇の鉢の植え替えをした。購入してから9日も経ってしまったけど、ようやく大きな鉢の中でのびのびとしてもらえる。

 

それにしても、ネットで調べると情報が多すぎて迷う。人によって言ってることが違うし。土も肥料も薬剤も、種類が多すぎる~!

 

鉢底石は、これくらい入れればいいのかな、薔薇専用培養土なら、肥料は最初に混ぜ込まなくて大丈夫かな、これから水やりはどれくらいの頻度が正解なんだろう・・・病気や害虫、怖いな、このスプレーでちゃんと対処できるかなあ・・・

 

夫とふたり、ああでもないこうでもないと言いながら、なんとか作業を進めた。いやはや、おっかなびっくりなスタートである。聞いてる薔薇もさぞ心許ない気分だっただろう、お気の毒に・・・

 

植え替えが終わり、最後に水をたっぷり与えたとき、強い芳香を感じた。これまでで一番濃い香り。薔薇が喜んでいる、と思った。急に愛おしさが募り、同時に責任を感じた。

 

私の所へ来てくれてありがとう。
こんな素人で、ホントごめんね。
ちゃんとお世話させてもらうからね。

 


一日に何度も薔薇を見に行ってしまう。何度も声をかけてしまう。
夫も「フジコちゃん」と呼びかけ、新しい蕾を探したりしている。笑

 

我が家のベランダは東向きだ。朝早くから初夏の日差しを受け、風にそよぐ薔薇はとても機嫌が良さそうだ。そんな様子を見ると、私もやわらかい気持ちになる。可愛いなあと、静かな幸福を感じる。

 

一鉢の薔薇が、今年の5月をさらに特別なものにしてくれたようだ。これから迎える梅雨や猛暑がとてもとても心配だけど、薔薇初心者、頑張ろうと思う!

(冒頭の写真が本日、5月21日の「フジコちゃん」です)




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ECRU―エクリュ。生成りという色の気品

 

百花繚乱、麗しい季節となった。
花も良いし、若葉もまた良い。みずみずしくきらめき、生命の息吹を感じさせてくれる。

 

私という「生き物」が一番活発に動ける季節も、多分、今なのだと思う。だからこそ、無理に動き回って疲れることも多く、注意が必要だ。寄る年波には勝てず、ここ数年、めっぽう疲れやすくなったことを自覚している。回復にも時間がかかるし、困ったものだ。

 

麗しい季節は、気持ちも焦る。つまり「今だけ」の美しさ、心地良さを、しっかり味わっておかなくては!と、追い立てられるような気分になってしまうのだ。煩悩というか、欲張りというか・・・お恥ずかしい限り。

 

せっかくの晴天なのに出掛けられない日などは、もったいなくて残念な気持ちになる。もっと明け透けに言えば、悔しい気分。笑

 

なので、今日のようにしっとり雨が降っていると落ち着いてデスクワークができ、ちょっとホッとするという、おかしなことになっている。とは言え、どこか輝きをまとうような美しい5月の雨も、わりと好き。傘をさして歩きたくなったりもするのだけど。

 


色とりどりの花を見に行き、何度も心躍らせたこの春。私の刺しゅうもカラフルな花模様が続いた。少し照れくさくなるようなラブリーなものも、孫娘のためという口実で楽しく作ってみたり。図案を考えてるときからワクワクしていたっけ。

 

 

4月16日の名城公園

 

花束刺しゅうのがま口ポーチ

 

 

滴る緑も楽しんだ。新緑の中に身を置くと、身も心も浄化されるようだ。

 

刺しゅうでは、NHKテキスト「すてきにハンドメイド」4月号に掲載されていた、yulaさんの図案をお借りして、ミニブーケをひとつ、刺してみた。

 

4月25日の愛知県緑化センター

 

淡い春色のミニブーケ刺しゅう

 

 

春から初夏へと移りゆく中、華やぎ色をたくさん堪能できた一方で、単色でボタニカルラインを刺しゅうする楽しさも味わった。

 

キッチンテーブルに掛けるクロスを新しくしようと、生成りのリネンをカットし、布端を処理していた。そこに、悪目立ちしない装飾がしたかったのだ。

 

まだまだマスターできていないInkscapeというアプリで、四苦八苦しながらなんとか図案を仕上げ(難しいけどすごく楽しい♬)、ざっと2週間前後かけて刺しゅうを完成させた。

 

生成りのボタニカルライン刺しゅう

 

横幅約55cmという作品は、私、多分、初めての大きさで。楽しかったけど、刺しゅう中の布さばきの大変さにはほとほと閉口した。笑

 

使用した糸は、DMCの25番刺しゅう糸で、色は番号ではなく、ECRU。生成り、である。生成りのリネンに生成りの糸で刺しゅうすると、どんな感じになるかは、2月に既製服(MUJIのリネンのシャツワンピ)の襟でお試し済み。ただ、生成りの麻布といっても、製品により色味はバラバラなので、今回の布でもDMCのエクリュが綺麗に映えてくれるか、実はドキドキだった。

 

既製服の襟に刺しゅう

 

襟の小さなスペースに刺したときは、糸の本数は1~3本。今回のクロスでは2~6本取りで仕上げたので、そっくりのボタニカルラインであっても、どう変化するのか未知数。まるで実験するかのように刺し始めた。

 

ecru(エクリュ)とは、生成りを意味する英語。フランス語なら、écru。生成りというのは、糸や布地では漂白や染色をしていないもののことを言う。どこまでも素朴でナチュラルなイメージだ。

 

しかし、刺しゅうをしながら私は驚いた。DMCのECRUという刺しゅう糸の色は、ただものではない。なんなんだ、この高貴さは。

 

ナチュラルではあるけど、素朴とか、簡素とかなんてちっとも思えない。むしろ、リッチ。サテンステッチなどで糸が面となって横に並べば、つやつやと、まるでプラチナブロンドのような優美さを放つ。色を持たない潔さゆえ、孤高の品格を感じる。

 

DMCの刺しゅう糸は、エジプトの最高級長繊維コットン100%で作られており、古くから美しい光沢と柔らかさに定評があるということだから、たとえ「生成り」でもこんなに艶めいてしまうのだろうか。きっとそうだね。

 

いや、でも、もしかしたら「生成り」という色には、元々、兼ね備えていた独自の品性があるのではなかろうか。刺しゅうをしてモチーフが現れるたび、糸色そのものに秘められたプライドのようなものを、私ははっきりと感じたのだった。

 

刺しゅう糸・ECRUに感じた品性

 

つくづく刺しゅうは奥深い、と思う。いつも新しい発見があり、興味が尽きない。試してみたいこともたくさんあるし、もっともっと学びたいし上達したい。素敵なもの、可愛いものをつくり出したい。

 

ああ。そのためにも、心身、健康を心掛けなくてはね。
ECRUのように、ナチュラルかつ優雅でいられたらいいな(*^^*)




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バイバイ、桜

桜吹雪

 

昨日、桜吹雪の中を自転車を走らせて買い物に行った。いよいよ桜も見納めか。小さな寂しさを感じながらも、風に舞い上がる花びらの美しさに息をのむ。最後まで、なんて美しい花なのだろう。

 

開花を待ちわびる気持ち、過ぎゆく桜の季節を惜しむ気持ちは、この国に暮らす人ならきっと何度も抱いたことがあるよね。
いつ咲くの、満開はまだか、今年はどこへ花見に行こう、まだ散らずにいてほしい・・・と、桜の季節は結構、長期にわたって私たちの気持ちを引き付け、引き留める。

 

 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

 

平安歌人の在原業平さんも詠んでいる。桜がなければ、春、人の心ものどかでいられたものを、と。ほんとよね。どうしてこんなにも、桜は多くの人の心を惑わすのだろうか。

 


毎年、毎年。
同じような写真をいっぱい撮っているのだけど、やっぱり今年も撮ってしまった。咲き始めから、咲き終わりまで。笑

 

そして、同じようにスマホやカメラを桜に向けている人たちを、何十人も見た。だから、どうしようかな、と迷ったのだけど、私の見た「今年の桜」の記録として、少しだけここに残しておこうと思う。

 

この春は清水の実家の片付けを始め、いろいろやることが多かったし、そもそも天候不順でお花見計画は難しかった。でも、隙を見てはお花見散歩をしたり、桜並木の道をクルマで通ったりしたのは、やはり桜のことはいつもどこか気にしていたからなのだろうね。

 


3月29日。クルマで大府市の大府みどり公園、ミモザの森へ。
この日のメインの目的は、満開のミモザ。まだソメイヨシノは5分咲きといったところだった。

 

桜の画像

3月29日の桜

ミモザの画像

ミモザは満開

✻今年もミモザに会いたいと願っていた私でした(*^^*)↓

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4月2日のお花見散歩。名古屋市守山区と尾張旭市北本地ケ原町あたりをトコトコ歩く。桜は綺麗に咲きそろってる木もあったけど、まだ満開とは言えない感じ。

 

教会と桜の画像

4月2日の桜

桜の咲く公園の画像

綺麗だけど、満開まではもう少し!

 

 

4月4日。清水に滞在中だった私。買い物の途中、ふと気が向いて、父からかつて母とよく散歩をしたと聞いていた近所の大沢川を歩く。そして、亡くなる前年の父と、少しだけその川沿いを歩いた日のことを思い出す。母に先立たれてひとり暮らしだった父。川を歩くコサギを見つめる、その寂しそうな横顔。思い出せば、今もちょっと苦しい。

 

この日の朝、静岡のテレビ放送でソメイヨシノが満開になったと言っていた。賑やかなのかな、と予想した。散歩中には見知らぬ高齢女性から「桜祭りも開催中なのよ」と聞いたのだけど、小川沿いの散歩道は静かだった。提灯が吊るされていたから、夜桜見物のお客さんが多いのかな。チューリップなど花壇のお花も春爛漫♡

 

この川沿いの散歩道。天気に恵まれれば、富士山も見えるスポットがあるのだ。父母は、こんなに綺麗な道を仲良く歩いていたのかと思うと、切ない思い出が少しだけ塗り替えられ、温かい気持ちになった。

 

川沿いの桜の画像

4月4日の桜

桜とチューリップの画像

花壇のお花がカラフルで可愛い!

 

 

4月9日。清水から戻り、まだ疲れが残っていたけれど、あまりにも良い天気なので、思い立って夫とふたり、長久手市内をお花見サイクリングすることに。

 

長久手市文化の家は、私の好きな施設のひとつ。その近くを流れる香流川も、桜並木の美しい散歩道がある。満開のソメイヨシノと青空とのコントラストに見惚れた。

 

桜並木の画像

4月9日の桜

図書館通りから眺めた文化の家の画像

図書館通りから眺めた文化の家

 

 

そして今日は4月13日である。(大好きな方のお誕生日です♬)
昨日の汗ばむほどの陽気から一転、今日は朝から冷たい雨が降っている。これできっと、たくさん散ってしまうね。風も強くなってきて、我が家のベランダにも桜の花びらが舞い込んだ。まるでお別れに来たみたい。

 

約2週間、楽しませてもらった今年の桜に、感謝を込めて「バイバイ」をしよう。

 

ありがとう。またね。
来年のことはわからないけど・・・きっときっと、また会いましょうね𓂃˖‬*゚❀

 


✻こんなことを書きましたが・・・
いやいや、桜、もうとっくに散っちゃったよ、という所も、まだこれからが見頃だよ、という所もあるのが、日本列島の面白さですよね。それに、桜は種類もいろいろ。お花見のチャンスは、私にもまだあるのです。笑


とはいえ、身近にあるソメイヨシノが一斉に散り急ぐ姿には、特別な気持ちを掻き立てられます。


我が家のツバメ(なんてつい言っちゃう)も帰ってきました。この春は寒暖差も激しく、振り回されてばかりですが、季節は確実に進んでいるのですね~(*^^*)




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