一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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手仕事の楽しさ、手編みの優しさ

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今年も12月がやってきた。早いなあ。時間は微粒の砂のように、指の間からなんのためらいもなく流れ落ちて行ってしまう。

 

その指を見れば、手荒れが目立ち、年々みずみずしさが失われているようだ。去年の同じ時期、友が私の手を取り、

 

「手は働き者だよね」

 

と優しく言って、白ワセリンにティートリーとラベンダーの精油を混ぜ込んだものを塗ってくれたのを思い出す。胸がほんわか温かくなる。

 

当たり前のように酷使しているが、手は本当によく働いている。特に水仕事。辛いよね。もっと労わらなくてはいけないのに、ハンドクリームを塗るときさえ慌てていて乱暴に擦り込んだりして、ふと不憫に思えてくる。

 

ごめんね。
いつもありがとう。

 

さて、いろいろな仕事をしてくれる手だが、私の手は何かを作り出す仕事がどうやら好きなようだ。

 

コピーライティングの仕事などで文章を作り上げるとき、タイプしている指はとても嬉しそう。色ペンや色鉛筆で小さな絵を描いたりメモしたりするときも、ちょっとした工作をするときも、私の手は喜んでいると感じる。器用ではないので、仕上がりの出来はともかくとして。

 

今年は何度か、編み針も持った。と言っても編んだのはラリエットやドイリーくらいだが、レース糸や毛糸を触る感覚を、指は喜んでくれた。

 

そしてこの秋も、何か小さい可愛いものが編みたくて、雪のモチーフをいくつか編んでみた。

 

編み物はとても優しい手仕事だと思う。柔らかな素材を使い、出来てくるものも柔らかだ。編んでいる時は気持ちまで柔らかくなる。何故だろう。

 

1本の糸が、だんだんと形になってきて、出来上がりが見えてくるのは楽しい。誰かにあげたくて編んでいるときは、その人の顔を思い出して懐かしくなる。

 

今の私には、セーターやマフラーを編み始めるふんぎりはなかなかつかないが、こうしたモチーフやコースターくらいの大きさなら、10分くらいで編み上がるので、忙しい日常でも隙間時間で楽しさを味わうことができる。そして、柔らかな気持ちを取り戻せる。

 

心が安らぎ、手が喜ぶささやかな手仕事、優しい手編みを、この冬、何回か楽しめたらいいのだけど。砂時計のように落ちていく時間を、少しだけスローモーションにしてくれるように思えるのだ。

 

モチーフのひとつはリボンを付けてクリスマスのオーナメントになり、今、遠くに住む長女の元にある。