金曜日に、私の住む東海地方は梅雨入りした。洗濯物と空を見比べてため息をつく日々がまた始まる。洗濯物、増えたしなぁ。
遠方に暮らす長女が、2歳の娘とともに我が家にやってきて1週間。我が家の暮らしはがらりと変わった。小さい子のいる毎日って、こんなに慌ただしかったっけ。
私、曲がりなりにも子どもをふたり、育ててきたはずなのに、もうすっかり忘れている。困惑の連続だ。1時間くらい一緒に遊ぶのなら楽しいのだけどね。きりがないから困ってしまう。ニコニコしてたと思ったら急に機嫌が悪くなったりね。相手をするのもなかなか大変。
自分の時間を作り出すのは至難の業になりつつある。家事の量も倍増し、いつもご飯と洗濯の心配をしている。12キロを抱っこして歩くのもかなりこたえるし、若い頃のような体力はないと思い知った。くやしい。
今、私がダウンしたら大変なことになるので、疲れやストレスをためこまないように気を付けなくては、と自分に言い聞かせている。実は長女のお腹には今、双子が宿っているのだ。
その報告を受けたのは2月のこと。みんなが幸せな気持ちになり、新しいふたつの生命の芽生えを喜んだ。素敵なことだと微笑み合った。それは今も同じなのだ。
ただ、不安も大きいのは否めない。双子は妊娠中も出産時もリスクがとても高いことを知ってしまったから。
無事にふたりともお腹で育ってくれるのか。ちゃんと生まれてきてくれるのか・・・長女がナーバスになってしまうのは仕方のないことで、そんな彼女を、夫も次女も私も、なんとか守ってあげたかった。
長女は、彼女の暮らす町ではなく、私の住まいに近い大学病院でお世話になることが決まり、何事もなければ9月に帝王切開で出産する。その前に1カ月間、管理入院するので、それに合わせて里帰りするはずだった。それが、検診時の数値でちょっと引っ掛かり、心配なため2カ月前倒しの里帰りとなった次第。
双子妊娠には安定期はない、と言われているようで、とにかく気が抜けないのだ。ようやくツワリがおさまったら今度は張りや痛みに悩まされる。妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病なども怖いし、長女は最初の子のとき、切迫早産で入院したことがあるので、それも心配だ。
自分の健康管理だけでも大変なのに、2歳児の世話もある。婿どのはこの時期、週末出張が多く、ひとりでは心細いことだろう。そもそも、さあ入院、となったら、2歳の孫娘はどうなるのか?
今は体調は安定しホッとしているが、2カ月前倒しで我が家に来て良かったのだろうと思う。少なくとも、子どもの相手ができる大人の頭数は我が家の方が多いから。
そんなわけで、狭い3DKで5人暮らしが始まった。9月には7人になる。時々婿どのが来れば、そのときは8人。本当にいったい、どうなることやらだけど。笑
賑やかでいいね。また長女ちゃんと暮らせていいじゃない。お孫ちゃんと過ごせるなんて幸せよ。双子ちゃんなんて素敵、うらやましいわあ。・・・と言っていただくことが多いのだけど、一面的には本当にそうなのだけど・・・。あんまり簡単に言ってもらいたくないなあ、とモヤモヤ思ってしまうのだ、正直なところ。
毎日、みんなが少しずつ努力して、支え合って、不安や心配を軽減しようとしている。それは多分、2歳の孫娘も。慣れない環境で、パパに会えないのも我慢して、精一杯、楽しく生きようと頑張ってくれている。
「はっぴーたんていどぅーどぅー」
最初に彼女がそれを言ったとき、ハッピー探偵ドゥドゥ?そういうキャラクターでもいるのかな?と思った。
これ、ハッピーバースデートゥーユー♪と歌っていたのだ。2歳児にはこういう類のことがとても多い。「キロミー」が「黄緑」のことだったりね。
可愛い言い間違いをたくさん披露してくれたり、昨日言えなかったことが言えるようになったり、大人の言うことを意外なほど理解していてビックリさせられたり。2歳児、本当に面白い。みんなが笑顔になる。
そして、笑い返すその顔のなんと愛らしいことか。瞳には星がいっぱい。
大変だけど、可愛い。悩みのタネなのに、そのタネに慰められている。・・・ああ、こういうこと、確かに昔、経験した。思い出してきた。
そう、もう一度これを経験するわけね。しんどいけど、嬉しいよね。嬉しいけど、しんどいよね。毎日、笑って泣いて怒ってまた笑うキミと、これから数カ月過ごしていこう。無理をし過ぎないように。でも、病気や怪我をさせないよう細心の注意を払いながら。
今、長女は次女と買い物に出掛けている。長女が嬉しそうに過ごしている様子を見ると、本当に良かった、と思う。
夫が洗い物をしてくれていて、2歳児はお昼寝中。そのすきを狙って、これを書いている。隣の部屋でスヤスヤと眠る孫娘は、いつまでも見ていたくなってしまうので「危険」だ。でもつい、見に行きたくなっちゃう。
昔、新聞に連載されていた小説『愛しの座敷わらし』(荻原浩)に出てくる座敷わらしがとても可愛くて、毎日読むのが楽しみだったのを思い出した。みんなを幸せにしてくれる座敷わらし。あの子もこんな感じだったのかな。
それから、私の日常に欠かせないホ・オポノポノで、大切な存在であるウニヒピリ(潜在意識)。一番ケアしなくてはいけないこのウニヒピリについて、2歳くらいの子どものイメージなのだということを、どこかで読んだ気がする。
私の中のウニヒピリは、気のせいか最近とても反応が良い。自分と同じ年頃の子の登場に興味津々、といった感じなのかな?
我が子が2歳だった頃には思いもつかなかった視点で、今、我が家に来た2歳児を観察できるのも楽しい経験だ。この子が私に、私たちに、もたらしてくれるもの。それはもしかしたら、とてつもなく大きなものなのかもしれない。
先々のことは心配だけれど、とにかく“今”を丁寧に生きることを大切にしたい。
一日一日を、愛おしんで生きていこう。