一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

心の中の「秘密の花園」

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もしも私が家を建てたなら
小さな家を建てたでしょう

 

という歌があった。小坂明子の『あなた』だ。私はまだ子どもで、自分もいつか家を建てるのかな、どんな家を建てようかな、などと無邪気に憧れていた。そして、家とセットで「庭」のことも大切に想像し、夢見ていた。

 

バーネットの『秘密の花園』が今でも好きで、秘密にしたいとは思わないものの、自分好みの庭を思う存分造れたらどんなに素敵だろう、と思っている。

 

私の父は公務員で転勤族だった。幼い頃はよく転居していたのだが、集合住宅ばかりでなく戸建ての官舎に住んでいたこともあり、そのとき一度だけ、花壇造りを経験した。小学校3年生か4年生のときだと思う。

 

母が「好きな花のタネを撒いていいよ」と言ってくれたので、数種類を撒いた。しかし、その後すぐに大雨か台風が来て、小さなお花畑は流されてしまった。悲しかったけれど、子どものことだから、そのうち忘れてしまったのだと思う。

 

ところが、庭の片隅、花壇からは遠く離れた場所に芽が出て育っていたのだ。ある日、その姿を発見して大喜びしたのを覚えている。触れると葉を閉じ下を向く「オジギソウ」だった。(わりと地味な植物が好きだったみたい)

 

ベランダの鉢植えでは味わえない経験だ。タネを撒くという行為には、すごく開放的なイメージがある。もしも私が庭を造るなら、色とりどりの自生の草花が素朴に楽しめるような、ワイルドフラワーガーデンをメインにしたいと思う。

 

あとは、薔薇と葡萄とハーブのコーナーが欲しい。神戸布引ハーブ園とかブルーボネットとか、まだ見ぬ紫竹ガーデン陽殖園などなど、参考にしたいガーデンがいろいろあり、考え出すと止まらなくなる。庭の前に家だろ、という話ではあるが。

 

私の心の中の「秘密の花園」は、常に未完成な状態で、完成形を夢見て作業している時間こそを、楽しんでいる。薔薇も葡萄もハーブもあるが、そこでは植物以外の「美しいもの」「面白いもの」もたくさん育てていて、それは私の愉しみであるだけでなく、生きる糧でもある。

 

青春の頃に気まぐれに教えてもらった父と母のロマンスだとか、弟にねだられてその場で作ったお話「ぴょん吉の大冒険」(ぴょん吉は弟の枕の名前だった)とか、幼い娘たちに贈った詩や歌とか。夫と見た夢のコーナーや、好きなことわざのコーナーもある。

 

広く開放的なガーデンは多分これからも、心の中だけでしか持つことはできないが、小さなベランダの鉢の植物たちも大好きだ。この季節は彩りがなく少し寂しいのだけれど、間もなくフリージアが蕾をつけるだろう。ローズマリーやタイムなどのハーブたちも、元気に冬を越そうとしている。

 

明日から2月。春はもうすぐだ。愛を込めて、心の花園にも新しいタネを撒こうかな。