梅雨の晴れ間もあるけれど、今日は曇天。これから雨になるらしい。空の暗さに気分も重く沈みがちになる。
日常の心配事は、ひとつ減ったらふたつ増える。そんな感じで、ちっとも心が晴れ渡らない。
でも外を見れば、こんな日にも小鳥は飛び、さえずっていて・・・
なんだかすごい。彼らはすごい。一生懸命、当たり前のこととして生きている。
小さく感心して、やがてリスペクト。
不思議なんだけど、ただそれだけのことで、少し心に日が差す。
先日、県内にある森林公園に出掛けた。野鳥が見たいし、森の空気が吸いたかったから。本当は標高の高い山とか丘陵地帯の自然公園などに行けたらいいのだが、まだ緊急事態宣言中。県をまたいでの外出は控えるべきかなと、クルマで20分くらいの公園へ。
夫がレンタカーをパパッと手配してくれた。行き先があまりに近いので、6時間のレンタルで充分。近所にレンタカー屋さんがあって、本当に助かっている。
我が家がマイカーを手放してから四半世紀くらいになるのかな。当時、CO2削減が叫ばれていて、クルマを所有することにちょっと罪悪感を感じ始めていた。ちょうどその頃、運転中に故障して怖い目にあったことも重なり、買い直すにしてもランニングコストやメンテナンスも大変に思えてきて、「一度手放してみよう」ということにしたのだった。
「持たない暮らし」は不安もあったが、バス停近いし、もうすぐ地下鉄の駅もすぐそばにできるし、なんとかなるかな、と。代わりにマウンテンバイクを買って。
いつまで続けられるかと思ったけど・・・続いてるじゃん!
(もちろんママ友始め友人知人のお世話にも。皆様のおかげと感謝しています!)
5年半前に今の場所に引越して、駅は遠くなってしまった。でもバス停はまあまあ近い。必要な時はタクシーやレンタカーを活用しているので、自家用車がないことで不便を感じたのは、数回程度かな。
が。クルマなんていらないよ、と大見得は切らないでおこう。
環境が変われば必要になるかもしれないし、単純に自分のクルマが欲しいって思う日がくるかもしれないものね。ドライブ、好きだし♪ まあでも、お金がかかるからなあ・・・
話を戻して。
ショートドライブで森林公園へ。昔、何度か訪れたことのある懐かしい公園だ。
かなり広いけど、場所を絞って無理なく歩こうと思った。前日までのカンカン照りから少し暑さも弱まり、薄曇りの空は外歩きに好ましい。
とは言え、紫外線対策と熱中症対策は大事。同時に虫よけ対策が必要な季節だ。クルマから降りる際、防虫スプレーを忘れずに。
ハッカ油を使って作るのもいいが、今年は市販品を購入した私。天然成分だけで作られたものを選んだ。ハーブの香りが心地よくて、爽やか。買って良かったと思う。
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まずは軽く昼食。駅前のパン屋さんで買ったサンドイッチはなかなか素敵で。遊具のある児童公園は2組くらいの親子がいただけで、のどかそのもの。ベンチで風に吹かれて、気持ちの良いランチタイムだった。でも、あまり鳥の鳴き声は聞こえてこない。
早く鳥に会いたくて、すぐに歩き始めた。
広い芝生が美しい。木陰でヨガをしている人がいたが、他に人影はふたつみっつ。平日だからだろうけど、こんな良い公園なのにこんなに人がいないなんて、と驚いた。
澄んだ池のほとりのベンチで休憩。護岸工事もされていない。雲間から少し日が差して、水面がきらめいている。
広々とした景色、木立の緑が本当にきれい。こんなに清々とした気分になるのは、いつ以来だろう。
急に、森の方から小鳥が2羽、水際に飛んできた。おなかのあたりが黄色い。でも、普段見かけるキセキレイとは違う。もっとずっと小さい。マヒワ?キビタキ? 何という小鳥だったのかな、とっても可愛らしかった。
公園内にある植物園に入ると、森はいっそう深くなる。鳥の声は聞こえるが、この季節になると葉が生い茂り、なかなか姿を見つけられない。
上を見上げ、枝から枝へ渡る小鳥の影を何度も見たけれど、とにかくすばしっこい!
でもいいのだ。双眼鏡もないし、今回は野鳥観察というよりも、野鳥の暮らす森に身を置きたい、という気持ちで来たので、彼らの声が聞けるだけで、いるんだなーと思えるだけで、とても嬉しい。
ホーホケキョと、お馴染みのウグイスの声が響き渡る。それから、シジュウカラの声も。
鳥の聞きなし。
今、ちょっと興味を持っている言葉だ。
鳥の鳴き声の聞こえ方を、人が使う言葉に置き換えること。
覚えやすくなる。
ウグイスの「法法華経(ほうほっけきょう)」や
ホオジロの「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょう
つかまつりそうろう)」など。
(『ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑』ナツメ社
から抜粋)
ホトトギスの「特許許可局(とっきょきょかきょく)」、センダイムシクイの「焼酎いっぱいぐいー(しょうちゅういっぱいぐいー)」も割と有名みたい。
馴染みのあるツバメは、ちょっと複雑な可愛い鳴き方が魅力だけど、「土食って虫食って渋い(つちくってむしくってしぶい)」なんて、聞きなしされているらしい。
シジュウカラは「ツピ、ツピ、ツピ」かと思ったら、「土地、金、欲しいよ(とち、かね、ほしいよ)という聞きなしがあるようで、身も蓋もなくて笑っちゃう。
カッコウは、「カッコー、カッコー」という鳴き声から付いた和名で、なんと英名《Common cuckoo》もこの鳴き声に由来するそう。類似種のツツドリは、「ポポ、ポポ」と筒を叩く音のような鳴き声から、筒鳥(つつどり)と名づけられたそうな。
カッコウの鳴き声を思い出すと、山や高原に行きたくなる。夏の朝の、緑色の、澄んだ冷たい空気が吸いたい。大木に抱きついて、耳を当て、水を吸い上げる音を聞きたい!
それでも、近くにたっぷりと自然を感じられる、森林浴もできる大きな公園があるだけで、感謝しなくてはね。フィトンチッド、しっかりいただいたよ。心に風を通すことができたし、いろいろ浄化された気がする。
自由に旅に出られるようになったら、やっぱり私、たくさんの種類の野鳥に会える森に行きたいなあ。まだ見たことのない小鳥を見つけたり、鳴き声を聞いたり。そんなことを夢みている。夢みていると、何かが少し軽くなる。
とりあえず、深呼吸しよう。
安心してどこにでも行ける日が、早く訪れますように・・・