一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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力をいただくということ―森林浴と動物園

 

11月も駆け足で過ぎ去ろうとしている。

 

清水に事務手続きのために行くなど、あれこれ用事が重なっていた上に、やりたいことがどんどん増えてきていて、なんとも気忙しい。時間が足りない。

 

それでも「欲」が出てきたのは喜ばしいことで、父が倒れ亡くなった2月からの数か月は、本当に何も意欲が湧かず、何もかもがどうでもいいとすら思えていた。

 

あの無力感、脱力感から、ゆっくりとだけど抜け出せたのだから、私の心の回復力も捨てたものじゃない、のかな。今もまだときどき、泣いちゃうけどね。

 


忙しくはあるのだけど、今年の秋は紅葉に何度も心を洗われている。

 

先月末から今月あたまにかけて、軽井沢で期待以上の紅葉を楽しめた後も、ライトアップの始まった名古屋市熱田区の白鳥庭園で、水鏡に映り込む幻想的な夜の庭を味わった。

 

白鳥庭園のライトアップの画像

夜も美しい白鳥庭園

 

そして先日は、錦秋に染まる東山公園を歩いてきた。

 

ちょっと張りきって歩き過ぎて、今また膝が痛みだしているけど、大丈夫。ちゃんと丁寧にケアしてあげれば元に戻る程度の痛みだ。それよりも、気持ちがスッキリしたことがとても嬉しいし、大きな収穫だと思っている。

 

森を歩けば、いつも素敵な何かをいただいている、という気がする。森の持つ力、なのだと思う。

 


「森林浴」という言葉を聞くと、つい初夏から夏を思い浮かべてしまう私だが、どうしてどうして秋の森にだって、心身に働きかけてくる素敵なパワーが満ち溢れている。

 

そしてそのパワーは、標高の高い場所にある深い森にはかなわないかもしれないけど、都市公園の森にだってちゃんとあるのだと感じる。

 

なんなら、ちょっと長めの並木道を散歩するだけでもいい。木々の梢を見上げ、清々しい風を感じ、木漏れ日を浴びて深呼吸すれば、身も心も浄化されていく。

 

我が町の銀杏並木も、輝くばかりの黄金色となり、今、黄葉ならではの風情で魅了してくれている。歩けば、心弾む散歩となる。

 


「森林セラピー」というものがあると、先日知った。ハイキングでも登山でもなく、健康のために森に入る、という、新しい森の楽しみ方なのだそうだ。

 

科学的な証拠に裏付けされた森林浴。その効果は単なる気分の癒やしにとどまらず、血圧を下げたり、ストレスを軽減したり、免疫能を上げたり、枚挙にいとまがない。

 

✻森林セラピーソサエティを参照

www.fo-society.jp

 


よく耳にする「フィトンチッド」というのは、植物から出る殺菌作用のある揮発成分のことで、虫や菌にとっては迷惑至極の物質なのだが、これが人間にとってはリフレッシュできるなど心地良い感覚につながるのだから、なんとも不思議で面白い。

 

ただ、森林浴で心身の健康が促進されるのは、フィトンチッドのおかげだけでもなさそうだ。森林浴に、現象として心身に与える効果があることは認められていても、森林内にあるもののうち、何がどのように作用しているのかまでは、まだ明らかになっていないのが現状のようだ。

 

私の感覚としても、爽やかな香り成分が胸に染みわたる幸福感はもちろん感じているが、心地良いのはそれだけではない。

 

枝や葉が風に揺れてこすれる音や、小鳥のさえずり、遠くに流れる水の音。
木々の間を抜けてくる光の色や、木の葉の揺れる影、さまざまな植物の色彩。
そっと触れた木の幹の感触、落ち葉を踏みしめる柔らかさ。
花や葉の香り、空気の湿った匂い……など、五感を通して森から受け取っている癒やしの要素は数多い。

 

赤や黄、橙色に色づいた、この季節の落葉樹の森には、ドラマティックで心が華やぐような心地良さも加わる。

 

何故、枯れていく葉でありながら、こんなにも美しいのだろう。本当に、どうしてこんな色になろうと思っちゃったんだろうね。笑

 


そうそう、森に行ったら樹木にハグする、ということもよくお勧めされているようだ。ストレス軽減の力が強いのだとか。精神的疾患の緩和、リハビリ効果も高いとのこと。

 

今度、森に入ったら実行してみたい。ああでも、きっとどうしても人目が気になるだろうなあ。散歩してたら、木に抱きついている人がいた。なんて、見た人はギョッとするんじゃないだろうか。笑

 

朝早くとか、ちょうど人がいないときとか、人が少なそうな場所とか、狙って出かけないといけないかな。

 

「森林セラピー基地」というのが全国各地にあるそうなので、機会があったらそういう森で、包括的なプログラムを安全に体験するのも良さそうだ。

 


ところで、東山公園には施設内に植物園と動物園がある。この動物園を、これまで何度訪れたことだろう。紅葉狩りをしながら植物園の森を抜けて、動物園に移動しそぞろ歩いていると、さまざまな思い出がキラキラとよみがえってきた。

 

父母に連れられて来た幼い日。友だちと遊びに来た若かりし日。小さかった娘たちを連れてきた日。

 

笑っていたなあ。おにぎりを食べていたなあ。迷子になっちゃったなあ。

 

コアラやライオン、キリンやゾウを見ても、一緒に来た誰かの様子ばかりが思い出されて、ああ、私はもうそういうお年頃なのねと苦笑した。

 

東山動物園のコアラの画像

キミはそんな恰好で寝てるのかい?

 

同行した夫が、動物が展示されている施設の傷みを気にしていた。古い園だから仕方ないけれど、もう少し修繕してくれるといいよね、と。レッサーパンダ舎は新しくて綺麗だったんだけどね。

 

ほんの気持ちだけ、受付で応援募金をしてきた。返礼としてピンバッジとカードをいただいたのだが、これにもお金が掛かっているんだろうねと、ふたりして恐縮してしまった。

 

これまでたくさんの思い出を作ってくれた動物園。いつか、もっとたくさんの寄付ができたらいいのだけど。力不足ですみません。

 

✻東山動植物園

www.higashiyama.city.nagoya.jp

 


森にしても、動物園にしても。
本当は、癒やされてばかりではいけないんだろうね。自分にできることを、できる範囲でだけど、ためらわずに動ける人になりたい。いくつになっても。

 

東山動物園のカンバッヂの画像

いただいたバッジとカード

 

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