一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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温かい法事と、辛い帰省(前編)

馬籠宿の画像

 

今日は父母の月命日。
慌ただしかった4月が終わろうとしている。

 

先週末、清水から帰った後、私は体調を崩してしまった。ようやく回復しつつあるが、今日のような曇天の日は頭が重く、食欲がない。

 

気温のアップダウンの激しさ、ころころと変わるお天気。
美しい日も多い4月だが、夏へと向かうこの季節のあらゆる変化が、還暦を超えた体にこたえる。「自愛」はもう、日常となっている。笑

 

 

弟の暮らす岐阜の地で、過日、父の四十九日の法要が執り行われた。

 

前日には関西で暮らす長女一家5人が我が家に来て一泊。普段、夫婦ふたりで静かに生活している私たちにとって、それは一大イベントだった。次女も来たので全部で8人。狭い家に、よく泊まれたものだと思う。

 

当日は快晴。クルマ2台で岐阜の山あいのお寺を目指す。ちょうど桜が見頃で、裏木曽街道を走りながら、川沿いを彩る花の美しさに、何度も歓声を上げてしまった。

 

法要でも、その後の納骨式でも、3人の孫娘たちは神妙な顔でお経を聞き、手を合わせ、いい子にしていてくれた。

 

4歳児と、2歳児の双子。温かな時間が流れる。父も母も、目を細めて見ていてくれたのではないかな。

 

この後、会食(お料理、素晴らしかった!)が行われた旅館に、私たちはそのまま宿泊した。前日、我が家でギューギュー詰めで過ごした8人は、広いお宿で伸び伸びとくつろぎ、温泉もいただいて、思いがけず旅行気分を味わうことができた。

 

旅行って、そういえばもう随分していない。ましてや娘一家との旅は、これが初めてである。なかなか会えない長女、そして孫娘たちと、たっぷり触れ合うことができた旅。こんな機会を与えてくれた父に、感謝しなくてはね。

 


翌日は、弟の経営する農園(彼は十数年前脱サラで就農)のトマトハウスを見学した後、長女の夫君の希望で馬籠宿を目指した。

 

馬籠宿は私、初めてで♡

 

連なる山々の頂きにはまだ雪も残り、桜も満開。月曜日ということもあってか、観光客もまばらで歩きやすく、坂道の宿場町の雰囲気を、十分に堪能することができた。とても美しい町だと思い、中山道の素敵な名所を、他にもいろいろ訪ねてみたくなった。

 


イベントをたくさん盛り込んだ3日間。さすがにクタクタになったけれど、父をこの手で、母の待つまだ新しいお墓に納めることができ、家族揃って両親に手を合わせることもでき、そして楽しいひとときも過ごさせていただけたので、心は本当に満たされた。

 

私の両親にとって初孫である、長女。ずっとずっと愛されてきた彼女が、今回初めてお墓参りできたことも感慨深い。彼女が自分の家族を叔父(私の弟)夫婦に紹介できたのも初めてのことで、それぞれ遠く離れて住んでいるということを、そしてコロナ禍で長い間、移動を制限されてきたという事実を、改めて実感した。

 

でも、だからこその、貴い時間だったのかもしれない。

 


四十九日が済み、ほっと一息ついたのも束の間、私や弟にはまだまだたくさんのミッションが待っている。まあ、そこまで慌てなくても良いのだが、これから農繁期を迎える弟が動きにくくなる分、私が頑張らなくてはいけないと思っているのだ。きっとこれも、貴い経験になるのだろう。

 

それで。
先週は清水の家に行ってきた。

 

当たり前なのだけど、清水の家に行っても、誰も迎えてはくれない。母はもういない。あの父さえも、もう…。

 

これは、なかなかのキツさだった。歩きながら、涙が溢れそうになる。

 

今後の手続きのため、区役所で必要書類を請求し、図書館で住宅地図のコピーを取るといった、今回の一番の用事を済ませ、家に向かった。

 

玄関を開けると、いつもの匂いがする。母が使う柔軟剤の匂いなのかな。あの家はいつも、ちょっと良い匂いがするのだ。

 

外置きの自転車のバッテリーも無事、家の中も空き巣に入られた様子はない。私は安堵して靴を脱いだ。

 

父母がいなくなった実家を、これから私は、何度も何度も訪れなくてはならないだろう。
覚悟、しなくては。

(次回に続く)


✻前回の記事を読んでくださった皆さん、そしてはてなスターをくださった皆さん、ありがとうございました。たくさんの励ましのお気持ちを感じ、とても嬉しかったです。また、コメントやフォームでメッセージをくださったユラ(id:yuraneco)さん、ブクマコメントをくださったあかね(id:akane2020)さん、ひまり(id:pintocare)さん、本当にありがとうございます。インスタのDMやLINEでも、父の死を悼んでくださるお言葉の数々や、ご自身の体験談をいただき、涙しました。優しいお気持ちに感謝しております。

それなのに……またまた更新が遅くなりました。申し訳ない思いです。

用事が重なり多忙、体もあちこち故障ぎみですが、何より頭と心が忙しく騒がしく、くたびれ果てておりました。PCに向かうことすら前向きになれない有様。書きたいことはたくさんあるのですが……。

あれこれまとめて書こうと思っていましたけれど、それではかえって後回しにしてしまいがちだと、ようやく気付きました。それで、私にしては珍しく2回に分けて書こうと思った次第です。
よろしければ、どうぞお付き合いください。

 

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