一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

娘の巣立ちに揺れたけれど

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次女が家を出てから2週間になろうとしている。

 

この秋、7人で暮らし、MAX8人いた日もあった家に今、夫婦ふたり。この落差!

 

娘のチェストや棚、そして大量の服と靴が消えた。この引越しに乗じて私も少し断捨離。まだ片付けは完全に終わらせていないが、ずいぶん広くなったと感じる。うちってこんなに広かったかしら。

 

いろいろあって、前の家から引越してきたのが4年前のこと。それから3人で頑張ってきた。本当に仲良く頑張ってきたよねと、思い出せばまた涙が出そうになる。大変だったけど楽しかった。次女のおかげだ。

 

4年9ヶ月前の長女に続き、私の大切な宝物がまたひとり、手元から巣立っていった。

 

25歳。決して遅い独立ではない。私は20歳で家を出ている。前からひとり暮らしに憧れていた次女には、「いつでも出て行っていいんだよ」と伝えていた。

 

自立したいという気持ちは大切だし、応援しようと思ってきた。今だってそう思っている。

 

でもなんだろう、この痛みは。「本当に出て行っちゃった」と、どこかで驚いている。なんだか力が抜けている。これが、空の巣症候群というやつか?

 

冬の朝、よく一緒に東の窓の前に立ち、森の樹々をきらめかせながらのぼってくる朝日を見て、その美しさに感動したっけ。玄関を出て西の空が燃えるような夕焼けになっていれば、どちらからか声を掛けて、長い時間一緒に眺めていたっけ。

 

メイクの度に占領していた洗面所。イラストを描いていた勉強机。夜遅くにケーキを焼いていたキッチン。突如、女子会が始まるダイニングテーブル。

 

この家の中のあちらこちらに、ついあの子の姿を置いてみてしまう。振り向けばそこにいそうな気がする。この家にいなかったはずの、幼い日の彼女まで現れてしまう。なんで?

 

・・・まあでも。多分、時間がたてば落ち着いてくるのだろう。子離れできない親にはなりたくないなと、ずっと思ってきたのだし。毎日のようにラインで連絡してくれるおかげで、彼女の元気な様子が手に取るようにわかるのだから。

 

彼女はとても張り切っている。新しい自分の巣づくりに夢中なのだ。なるべく我が家と同じ小物で揃えようとしている様子が可笑しいし、微笑ましい。

 

カーテンとか食器とかラグとか。彼女の部屋づくりのための買い物に、何度か付き合って街に出た。最近の私は人混みがますます苦手になり、都心部へ出掛けるのがとても億劫になっているのだけど。ましてや師走の週末の喧騒に飛び込むことなんて、もうないだろうと思っていたのに。

 

でも、昔はよく遊んだのだった。勤め先も都心部だったから、仕事帰りに買い物もしたし、仲間と飲み歩きもした。お気に入りのお店だってたくさんあった。

 

小さかった娘たちを連れて、暮れの繁華街を歩いたこともある。何度もある。

 

次女は夫に肩車してもらったことを覚えていた。「もう疲れたから自分で歩いてって、下ろされたのは嫌だったな」と笑う。ちびっ子だったんだねえ。

 

「どこも混んでる都心部だけど、あまり知られていない穴場のカフェがあるんだよ」

 

まさかそんな風に、素敵なお店に連れて行ってもらう日が来るとは。クリスマスのディスプレイに彩られた賑やかな通りを、次女に導かれて歩く私。感慨深い。

 

大きくなったんだね。そして、もう家に帰ってもあなたはいないんだね。

 


長女が結婚で家を離れた日のことを思い出す。新幹線のホームで、泣き虫のあの子が見せた表情は忘れようがない。

 

これまでずっと一緒に暮らしてきた家族と、初めて離れる不安、寂しさ。そして、大好きな人と一緒になれる幸せ、自分たちの新しい家庭を築いていくという決意。もうね、瞳がキラキラしていて・・・本当にいとおしかった。

 

去っていく新幹線を見送った夫と次女と、私。口数の少なかった帰り道。雨が降り出した。

 

でも、長女に新しい生活が始まったように、あのとき「残された私たち」にも、新しい生活が始まったのだった。夜が明け、「これからも楽しくやろうね」と3人で新しい朝を迎えたのだった。

 

そして、そのときのメンバーだった次女が、今度は夫と私を置いて、羽ばたいていった。瞳をキラキラさせて・・・

 

「新しさ」は、寂しさを優しく補ってくれる気がする。残された夫と私は、あくる朝、あのときと同じように「さあ、楽しくやろうね」と微笑み合った。

 

朝はいつも新しいけれど、特別に新しい朝。長女からも温かいメッセージが送られてきた。離れていても良いチームだなあと、また胸が熱くなった。

 


娘たちの幸せを願う気持ちは同じ質量だと思うけど、多分、私以上に寂しがっている夫と、これからふたりの生活を温かいものにしていきたい。「新しさ」を前向きに受けいれて、毎日を丁寧に楽しんでいきたい。

 

・・・できるかな?できるよね?

 

窓と網戸を拭き、カーテンを洗い、鏡や食器棚のガラス戸をピカピカに磨く。ベランダを綺麗にする。大掃除っぽいことを始めた。ちょうどシーズンだしね。

 

不要なモノの処分も始めた。ミニマリストにはなれそうにないが、私はできるだけすっきりと、シンプル&コンパクトに暮らしたい。そこを頑張ってみることが、私の「新しさ」のひとつかも。

 

他にも、新しくやってみたいことがいくつか思い浮かぶ。そう、いつまでも寂しがってる場合じゃないわ!(私ももうけっこうなおトシですから、時間があまりないのです笑)

 

でも、クリスマスイブに次女が泊まりに来ると聞き、それが今一番の楽しみである私って、自分で言うのもなんだけど、なかなか可愛い母親なのではないだろうか。へへ。