一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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小さなキラキラに触れる秋

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朝、ベランダに出るとひんやりした空気が肌を刺す。ついこの間まで暑い暑いと言っていたのが嘘のよう。数日前からは秋を通り越して初冬のようだ。

 

でもこの冷たい空気は私、嫌いじゃない。大きく吸い込めば、澄んだ水のように美味しく感じる。きめ細かい光の粒を体にたくさん取り込めたようで、爽快な気分になる。今日はどんな一日にしようかな。

 


最近の世の中。
感染状況が落ち着いてきて、ワクチン接種済みの人も増えてきて、見解は分かれるだろうが、だんだんアフターコロナにシフトしているように感じ取れる。

 

私も少しずつ、外出が増えてきた。百貨店まで買い物に行ったり、懐かしい友人に会ったり。美容室や歯科クリニックの予約も入れて、なかなかの気忙しさである。

 

そして、先週末は長女の住む町へ行ってきた。7か月ぶりに、ようやく愛おしい人たちに会うことができたのだ。

 


母も一緒に連れて行ってあげたい、と私は思った。
昨年、コロナ禍の中で倒れ、亡くなった母は、長女の生んだ双子に会えぬままだったから。そして、私の長女は母の初孫で、母はこよなく彼女を愛してくれていたから。

 

実は、百貨店に行ったときも、母の形見の指輪をして行ったのだった。母は服が好きで、若い頃は私を連れてよくデパート巡りをした。ウインドウショッピングの楽しさは、母に教わったのだ。なので、一緒に歩けばきっと懐かしがるだろう、喜ぶかな、と考えて、私の指に乗ってもらった。

 

でも、今回はそれは無理。小さい子たちに会うのに、オパールの指輪はさすがにしていけない。なので、母の形見のひとつである、普段使いのネックレスを首にかけたのだった。

 

これは多分、母が一番最後までよく着けていたアクセサリーだと思う。ベッド脇の壁のフックに掛かっていたのを、父の許可を得て、去年私がもらったものだ。

 


クルマで約4時間。やっぱり、長女の住む町は遠い。
今回は途中で次女もピックアップ、夫と3人での、とんぼ返りの旅である。短い時間だけど、会えることに感謝して一瞬一瞬を大切に過ごすことができれば、それは十分に有意義で幸せな旅になる。

 

長女の夫くんは、夕方まで仕事で留守。前日にワクチン2回目を打った長女が、もしも副反応で寝込んだら、パパもいないし子どもたちが可哀そう、ということで、私たちが出向くことになった次第だが、幸い副反応も軽いようで、私たちは長女ともたくさんおしゃべりすることができた。

 

そして、2歳の双子。
人見知りして、最初は遠巻きにしか私を見てくれなかったのだけど、私が4歳児のおねえちゃんと遊んでいるうちに、だんだん近寄ってきてくれて……。
ソファで隣に座り、私の胸元のネックレスに触れてきた。

 

「キラキラね」
「とってもきれいね」

 

そう言って、6つの石をひとつずつつまみ上げて、見つめる。

 

ひとりがそうしていると、もうひとりも来て、私はこれが好き、私はこっちがいい、と私に伝え、石を撫でてキスまでしてくれた。

 

まあ!お母さん、良かったわね♡
これがあなたの会いたがってた、双子のひ孫よ。

 

心の中で母にそう語りかけた私。しばらく会わない間にこんなにしっかりして、子どもの成長ってすごいなあと、感慨ひとしおだった。

 


小さい子って、キラキラを見つけるのが上手だ。日が落ちて、買い物に行こうと外に出たとき、遠くのタワーの赤い光をかわいい手で指さして、あそこにキラキラがあるねえ、と双子が教えてくれた。

 

思えば、4歳児の孫娘も、2年前我が家で過ごしていたとき、家中のキラキラを見つけては、私に知らせてくれたものだ。西側の部屋の窓は型板ガラス(デザインガラス)なので、夕方の光が美しく輝く。それを見るのが、私も彼女も大のお気に入りだった。キラキラだねえって、毎回言い合った。

 

当時は彼女もまだ2歳。大変だったけど、幸せな日々だったなあ。

tsukikana.hatenablog.com

 


日常の中に小さく輝くものを見つけるのは、私もわりと得意な方だが、ちびっ子たちは本当に達人で、いつも私は教えられる。

 

母の形見のネックレスは、わりと渋めの色の石で、秋の服に合うかな~くらいに思っていたのだけど、よく見るとひとつひとつの石に模様が入っていて、角度を変えるとあちらこちらでキラキラと輝く。

 

こんなに綺麗だったんだ。

 

時間をかけて、ゆっくり愛でて。そうして、ちびっ子たちの瞳もキラキラが増していく。小さな幸せが積み重なっていく。そういえば、長女も次女も、幼い頃はこんな感じだったっけ。そして多分、きっと、おそらく、私も。

 

私は、母の微笑みをそばに感じて、涙が出そうだった。

 

あそこにもキラキラ。ここにもキラキラ。
小さい子になったつもりで周りを見渡してみると、キラキラはたくさん見つけることができる。心のおもちゃ箱は、たちまち素敵なものであふれそうになる。みんな、ありがとう。

 


ところで。
「コロナが落ち着いたら、また一緒にご飯でも行こうね」
そんな言葉を交わした人、たくさんいると思う。私もそうだ。ヘビロテのスタンプのように、このセリフを使っていた。

 

でも、正直に言うと、今すぐ会いたい、一緒に遊びたい、というわけではない。ゆっくりでいい。いや、ゆっくりがいい。スミマセン。笑

 

10月に入り、外出の予定がカレンダーにどんどん書き込まれるようになって。そういうのが本当に久し振りで、ちょっと腰が引けている自分がいた。疲れそうだな、とすぐに思ってしまうのだった。もうすっかり、自粛慣れしているのだろう。こなせる自信が薄い薄い。

 

果たして元に戻れるのか?私。
そもそも、元からあまり社交的ではないのに……。

 

今は、現状維持バイアスが働いているだけかもしれないが、やっぱりゆっくり戻っていきたいな。

 

大切な人にようやく会えた後は特に、その余韻をしみじみ味わって、何に心が動いたか、何を大事に感じたかを、しっかり自分の中に定着させる時間がほしい。

 

とはいえ、第6波が来たら、またしばらく会えなくなるかもしれない。行けなくなるかもしれない。それを思うと、悩ましいのだけど。

 

ステイホーム。おうち時間。
ありがたいことに、私はそれなりに楽しむことができたからかな。日常のルーティーンもあんまり乱したくないなあ、なんて気持ちも働く。体力も落ちているしね。

 

もちろん、そうじゃない人も多いと思う。
でも、誰かを誘うとき、誘われたとき、今までよりもちょっと想像力を働かせてみよう、相手のコンディションを気遣ってみよう、そんなことを思う昨今だ。みんな、疲れていることはわかっているのだから。

 


私はこの秋はまだ、小さなキラキラに触れていたいかな。ドキドキするようなイベントは、もう少し先でお願いしたい。なんて贅沢かな。

 

でも本当にそう思う。今はまだ、優しい輝きを少しずつ集めるように、穏やかな気持ちで暮らしていたい。今日も小さなキラキラを見つけたよ、と。

 

✻待ち望んでいた状況が見えつつあるのに、戸惑っている自分がいます。そんな自分の心境も、メモしておこうと思いました。それでも、好きな人たちに会えるのはとても楽しみなのです。いっぺんに、が怖いのです。笑
今週は西城秀樹さんの特番をNHKオンデマンドで繰り返し観たりして、ゆったりラブリーな気分で過ごしました。(地上波での再放送を切に願っています!>NHKさん)

急に寒くなりました。今朝から少し、のどが痛む私です。
どうぞ皆さまもご自愛くださいね。

 

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